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美術批評 Art Criticism


一般に、美術批評は18世紀末から19世紀初頭のフランス、恐らくディドロに始まったとするのが定説である。容易に美術作品に接することのできる展覧会が多く催されていたこと、多くの作品に対する信頼できる評価が必要とされていたこと、批評を受容する一定の読者層やそれを掲載するメディアが形成されていること……。都市空間の成立と密接に関わる美術批評の成立要件がこの時期のこの地域によって初めて満たされたことがその有力な根拠であり、C・ボードレールの「サロン」を例に取れば、草創期の美術批評が何よりもまず「目利き」の詩人の言説であったことがわかるだろう。それは、現在に至るまで続く印象批評の系譜の根本に位置するものでもある。その一方で、19世紀末のドイツにおいて学問としての美術史研究が確立されて以降は、その美術批評との関係がしばしば問題視されてきた。もとより、美術作品への論及という目的を共有する二つの言説が完全に分離しうるはずはないのだが、少なくとも実証的な分析とほど遠い詩人の印象批評は、実証的な美術史研究とは明らかに違う方向性をもっている。この両者の分割を解消しようとした試みとしては、やはり戦後アメリカに生起したフォーマリズム批評を挙げるべきだろう。徹底して形式を問題にするその姿勢が後年ヨーロッパの批評にも大きな影響を与えたのは、戦後美術の中心地がパリからニューヨークへと移行した事実とも深く関与しているのだ。

(暮沢剛巳)


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