1962年、ジョン・アーヴィンがサンフランシスコで創刊した月刊の美術雑誌。67年、編集者フィル・リーダーが発行元をニューヨークに移したことにより、カリフォルニアの地方性を脱し、ニューヨークを中心とするアメリカのアート・シーンの変遷を写しだしていくこととなった。正方形の版型に図版を豊富に掲載しながら、現代美術を扱う討論の場、「フォーラム」として、美術批評家だけでなくアーティストたちにも発言の機会を与えてきた。美術の概念の変化とともに、80年代以降は、イングリッド・シシー、イダ・パニチェリ、ジャック・バンコフスキーらの編集者により、宗教、人種といった芸術を取り巻く社会や政治にまでその視野を拡大しながら、芸術の社会的な役割を問い直している。
(柴田勢津子)
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