1997年11月よりウィーンのゼセッション(分離派)館で始まった、東アジアにおける都市の変容をテーマとする展覧会。サブタイトルは、「都市の混沌と世界の変容――現在の東アジアの美術・建築・映像」。パリ市立近代美術館ARCの契約キュレーターであるハンス=ウルリッヒ・オブリストと中国出身でパリ在住のインデペンデント・キュレーター、ホウ・ハンルが企画し、100人以上のアーティスト、建築家、映像作家が参加している。日本からは、森万里子、ホンマタカシ、曽根裕、小沢剛などのほか、磯崎新、伊東豊雄といった建築家や、映画監督の北野武が出品している。その後、ボルドー現代美術館、ニューヨークのPS1、コペンハーゲン郊外のルイジアナ近代美術館、ロンドンのヘイワード・ギャラリーに巡回し、1999年秋、バンコク、そしてヘルシンキのキアズマへ巡回する。同じ展覧会がそのまま巡回するのではなく、各都市で作品が新たに制作されるなど内容と形式は変化し続けている。例えば、ルイジアナ美術館では、独立した棟ごとに地域ごとのまとまりをもたせたが、ヘイワード・ギャラリーでは、香港にも拠点をもつオランダの建築家レム・コールハースが会場を構成し、その前の展覧会の基本的構造に、イラン出身の建築家ザハ・ハディドが以前展覧会用につくったディスプレイを再利用した。
(鷲田めるろ)
関連URL
●レム・コールハース http://www.cnn.com/2000/STYLE/design/04/17/pritzker.prize.02/index.html
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