色相(色彩の種類)を色調の推移の順番に円周上に並べたもの。色相環、色環、色彩円とも呼ばれる。色彩環上で最も隔たっている色彩を補色という。色彩環は18世紀、ニュートンやゲーテによって考案され、オストヴァルトやマンセル等の研究を経て現在に至っている。色彩の3属性として色相、彩度、明度が存在するが、この色彩環が表現できるのは色相と彩度のみである。この不備を乗り越えるため、三次元的に色の3属性を構成した色立体(球体の形となる)も考案されている。色彩をこのように物質の属性から解放し、客観的に組織づけようとする衝動はヨーロッパ固有のものであり、文化論としても興味深い。
なおゲーテは自らの考案した色彩環をもとに、人間の性格をアレゴリカルに組織づける図も描いている。
(苅谷洋介)
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