建築家/デザイナーとして著名なB・フラーのデザイン概念。そもそもこの造語は 1929年、シカゴのマーシャル・フィールズ・デパートの広報部員が「ダイナミック」「マキシマム」「……イオン」などを組み合わせて考案したもので、その語感を気に入ったフラーは、以後この名称を、大量生産や先進科学性を謳い文句とした自分のデザインのキャッチフレーズとして用いるようになり、以後1946年に至るまで、フラーのすべての発明には「ダイマクシオン」の接頭辞がつけられていた。このように、「ダイマクシオン」の意味する範囲は極めて広く、飛行機型自動車として考案された「ダイマクシオン・カー」や大量生産を想定した集合プレハブ住宅「ダイマクシオン・ハウス」はもとより、画期的な作図法である「ダイマクシオン交換投影図法」やそれに基づく「ダイマクシオン・スカイ・オーシャン・マップ」にまで及んでいる。フラーその人による「ダイマクシオン」の定義が存在しないこともあり、この造語がどのような意味で用いられていたかは必ずしも明確ではないが、フラーが同時に「4D」を好んでいたことからも、4次元を含意していると見るのが適切かもしれない。詳細は『バックミンスター・フラーのダイマキシオンの世界』(木島安史+梅沢忠雄訳、鹿島出版会、1978)を参照のこと。
(暮沢剛巳)
関連URL
●フラー http://www.wnet.org/archive/bucky.cgi
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