具体美術協会のメンバーによって、1955年10月、東京の小原会館にて開催された展覧会。具体美術協会とは、吉原治良を指導者として、その影響下にあった金山明、村上三郎、白髪一雄らによって、54年7月、大阪に結成された実験集団であり、その活動は、ハプニングの先駆けとする見方もある。
この東京での展覧会は、同年7月に芦屋川河畔で開かれた、彼らの第1回の野外展とも言える「真夏の太陽に挑むモダンアート野外実験展」に感銘を受けた小原豊雲のすすめを受けて実現した。
ここでは、白髪一雄の泥に飛び込むアクション《泥に挑む》、村上三郎の十数枚の紙を突き破って走り抜けるアクション《紙破り》などの、初期の具体美術の前衛性の象徴とも言える2大アクションをはじめとする種々の問題作が登場し、彼らの活動にとって非常に重要な展覧会となった。
(中島律子)
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