1924年5月17日から30日にかけてパリ、シガール劇場で開催されたE・ド・ボーモン伯爵主宰による催し。ボーモン伯爵は裕福な貴族で、自らも舞台美術も手がける
バレエ・リュスの後援者のひとりであったが、この公演を行なったためにバレエ・リュス主宰者、ディアギレフの反感を買った。しかしこの公演で上演されたE・サティ音楽、P・ピカソ美術による『メルキュール』は、1927年にはバレエ・リュスの作品として再演されるなど、ディアギレフがその質の高さを認めた数少ないライバル公演である。その他にはD・ミヨー音楽、G・ブラック美術による『サラダ』、J・シュトラウス音楽、W・ポルーニン美術による『美しきダニューブ』、J・コクトー台本による『ロミオとジュリエット』など8作品を上演し、その年のパリの大きな話題となった。参加者には上述の他A・ドラン、J・M・セールなどがいる。ダンサーではバレエ・リュスのスター・ダンサー、レオニード・マシーンが中心となり振付を手がけたが、初期のバレエ・リュスに参加して圧倒的な人気を得て後に自らのカンパニーを作った女性ダンサー、イダ・ルビンシュテインらも参加していた。
(芳賀直子)
関連URL
●ピカソ http://www.dnp.co.jp/museum/nmp/nmp_j/people/p-picasso.html
|