1929年にニューヨークに開館して以来、同時代の美術にも大きな影響を与えてきた近代美術館。初代館長にアルフレッド・バーJr.を迎え、フランス近代美術の巨匠を扱った「セザンヌ、ゴーギャン、スーラ、ヴァン・ゴッホ」展で開館。開館当初は5番街に面したヘクシャー・ビルの12階を借りていたが、32年、現在の場所(西53丁目11番地)に移転する。39年に設計されたP・グッドウィンとE・D・ストーンによる装飾を一切省いた建築は、それ自体近代建築の代表となりうるひとつの作品であり、64年のP・ジョンソンによる増改築、84年のC・ペリによる増改築を経て現在に至る。さらに、日本の建築家、谷口吉生による増築が行なわれる予定となっている。P・ピカソ《アヴィニョンの娘たち》、A・マティス《赤いアトリエ》、P・モンドリアン《ブロードウェイ・ブギウギ》、C・ブランクーシ《空間の中の鳥》など、近代美術史上重要な作品を所蔵する。重要な企画展には、「キュビスムと抽象芸術」展(1936)、オプ・アートの動向を捉えた「応答する目」展(1965)などがある。また、早くから建築部門や写真部門を設置し、絵画・彫刻にとどまらない収集、展示を行なってきた。建築部門の行なった重要な展覧会に、「モダン・アーキテクチャー」展(1932)、「ディコンストラクティヴィスト・アーキテクチャー」展(1988)、写真部門では「人間家族」展(1955)、「ニュー・ドキュメンツ」展(1967)などがある。
(苅谷洋介+鷲田めるろ)
関連URL
●ニューヨーク近代美術館 http://www.moma.org/
●ペリ http://www.cornishproductions.com/EID/Pelli/Bio1.html
●ピカソ http://www.dnp.co.jp/museum/nmp/nmp_j/people/p-picasso.html
●マティス http://www.artloft.com/matisse.htm
●ブランクーシ http://www.ocaiw.com/bracusi.htm
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