英米圏で80年代頃から唱えられ始めた美術史研究上の流れ。文学批評理論における構造主義・ポスト構造主義の受容に呼応している。制度化して意味解読が自己目的化したイコノロジーを批判して、絵画表象に固有の秩序に着目しつつ、なおも歴史記述との接点を探ろうとする点、またM・フーコーの著作の影響が強い点において、新歴史主義とも共通点をもっている。S・アルパースやN・ブライソン、M・バクサンドール等が特に有名で、バクサンドールのようにヴァールブルク研究所との関わりが深い者もいる。またジェンダー研究やポストコロニアリズムなどとも結びつき、西洋美術研究においてこれまで自明視されてきた諸前提の問い直しを行なっている。
(石岡良治)
関連URL
●ヴァールブルク研究所 http://www.sas.ac.uk/Warburg/Default.htm
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