持続する可能性。1987年に開催された「環境と開発に関する世界委員会」で提唱されて以降、地球環境問題をめぐってしばしば話題にされるようになった。一般に自然環境の保全や省資源、省エネルギーといった側面が強調されがちな地球環境問題だが、このサステイナビリティという立場は、環境と開発の相互依存や資源の有効活用など、環境問題を社会システム全体の中に位置付けるための提言を目指す。資源の有効活用の結果廃棄物がゼロの状態に達する「ゼロ・エミッション」が最終的な理想とされる。建築物の耐用年数や省資源住宅など、環境問題に対応する個別の技術が既に一定の水準に到達した現在では、先進国での開発が途上国の環境悪化を招くことにならないようにするなど、地球環境全体を考慮する必要性が一層高まっていくものと推測されるが、1997年の京都会議で締結された「京都議定書」の実効性がはやくも揺るぐなど、今の時点でそうしたコンセンサスが十分に浸透しているとは言いがたい。今後は、サステイナビリティの視点を取り入れたランドスケープ・デザインの需要が高まるだろう。
(暮沢剛巳)
関連URL
●「京都議定書」 http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kankyo/kiko/cop3/k_koshi.html
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