クリスト&ジャンヌ=クロードが1984年から準備を始め、91年(10月9−26日)に実現した「アンブレラ、日本−アメリカ合衆国、1984−1991」のこと。企画段階では「アンブレラ、日本とアメリカ合衆国のためのジョイント・プロジェクト」と称されていたこの作品で、クリストは、茨木県、里川、東合戸地区にある、452人の私有地および公共用地(延長19km、幅2.5km)と、ロサンゼルス北部、州間高速道路5号線のヴァレー付近の谷間にある、26人の地権者所有地および公共用地(延長29km、幅2.5km)に、総数3100本の巨大な八角形の傘(高さ6m、直径8.66m)を設置した。長期に渡った準備期間を通じて、それぞれの地域の風土、生活様式、社会制度の相違と類似を顕在化させるプロジェクトとなった。両国の地権者、行政、民間諸機関を巻き込んだこのプロジェクトの費用は、クリストの他のプロジェクト同様、プロジェクト習作、ドローイング、コラージュ、スケール・モデル、初期作品、オリジナル・リトグ
(宮川暁子)
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