2019年09月01日号
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「サウンド・ガーデン」展

“Sound Garden”

1987年から94年にかけて計6回、六本木ストライプハウス美術館(現ストライプハウスギャラリー)で開催された、サウンド・アート作品を集めたグループ展シリーズ。音響彫刻やサウンド・インスタレーションといったサウンド・アートの展示が日本で盛んになったのは80年代後半だが、初期の試みのなかでも本シリーズは継続性、出品作家数などの点で際立っている。すべての回で企画・プロデュースを手がけたのは、70年代には即興音楽集団「タージ・マハル旅行団」に参加し、80年代以降は環境音楽や公共空間のサウンド・デザインなども手がけた音楽家の吉村弘。出品作家の合計は52名にのぼり、60年代生まれの若手作家が多かった。その中心は、85年の東京芸術大学学園祭の企画として美術学部生が創作楽器を制作し、それを音楽学部生が演奏した「Original Instruments Exhibition & Concert」の参加者である。企画をたてたグループ「WAY」(尼子靖、柿崎隆之、渡辺林太郎ら)、この企画で結成されたグループ「MUSA」(大坂洋史、平田五郎、八杉真由美ら)のメンバーは個人で「サウンド・ガーデン」シリーズに出品を重ねた。また民族楽器・古楽器研究の直川礼緒、関根秀樹、渡辺広孝や、金属彫刻の金沢健一らも常連であり、サウンド・アートの松本秋則、藤本由紀夫、クリストフ・シャルル、ライト・アートの逢坂卓郎らの参加もあった。本シリーズ全体の特徴としては、造形と演奏の結びつきが挙げられる。訪れた観客が手にして音を出せる作品が多く、展示作品を演奏するパフォーマンスもくり返し行なわれた。

著者: 金子智太郎

参考文献

  • 「音のかたち、かたちの音 吉村弘の世界」展カタログ, 神奈川県立近代美術館, 2005
  • 『街のなかでみつけた音』, 吉村弘, 春秋社, 1994
  • 『都市の音』, 吉村弘, 春秋社, 1990
  • 『ストライプハウス美術館 1981-2000』, ストライプハウス美術館, 2000

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