2019年06月15日号
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『ライフ』

LIFE

タイム社のオーナー、ヘンリー・ルースが1936年に創刊した写真週刊誌。創刊号の表紙を飾ったのはマーガレット・バーク=ホワイト撮影によるフォートペック・ダムの写真である。この雑誌の創刊にはナチズムの台頭によってヨーロッパを追われた編集者や写真家——『ベルリナー・インストリールテ・ツァイトゥンク』誌の編集長であったクルト・コルフ、写真家のアンドレアス・ファイニンガーら——が関わっていた。コルフはドイツ流の先進的なフォト・ジャーナリズムを『ライフ』に持ち込み、「フォト・エッセイ」と呼ばれる組写真の修辞法の基礎を確立した。「フォト・エッセイ」とは複数の写真のシークエンスと文章、キャプションを相互に関連づけながら、重層的に結びつけることによって出来事を物語化し、写真を意味へと導く手法であった。『ライフ』の誌面はスクリプト・ライターやレポーターなど複数の専門家による完全分業システムで制作されており、ロバート・キャパやユージン・スミスなどのスター写真家を数多く輩出した。創刊からまたたく間にアメリカ大衆社会の象徴となり、20世紀最大の写真週刊誌となった。アメリカのセルフ・イメージを描いた『ライフ』も、最盛期に850万部に至ったあと、TVの普及にも押され、72年休刊に追い込まれた。

著者: 小原真史

参考文献

  • 『美しき「ライフ」の伝説 写真家マーガレット・バーク・ホワイト』, ヴィッキ・ゴールドバーグ(佐復秀樹訳), 平凡社, 1991
  • 『フォト・リテラシー』, 今橋映子, 中公新書, 2008
  • 『写真論集成』, 多木浩二, 岩波現代文庫, 2003

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