2019年06月01日号
次回6月17日更新予定

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シチュアシオニスト・インターナショナル/アンテルナシオナル・シチュアシオニスト(映像)

Situationist International(英), Internationale situationniste(仏)

シチュアシオニストのギー・ドゥボールは、1950年代初頭にフランスの前衛芸術運動レトリスムに加わった後、その中の最左派としてアンテルナシオナル・シチュアシオニストを結成、その中心人物として68年の五月革命などに大きな影響を及ぼした。また、芸術至上主義を超克しようとして、「状況の構築」というテーマを掲げ、「日常生活を変革する」という、より積極的な政治活動に身を挺したが、そうした活動の傍ら、映画作家としても活動を続けていた。それはドゥボール自身によるスペクタクル批判の実践である。その生涯において『サドのための絶叫』(1952)から、自著の引用からなる映画版『スペクタクルの社会』(1973)、アンテルナシオナル・シチュアシオニスト解散後、最後の作品である『われわれは夜に彷徨い歩こう、そしてすべてが火で焼き尽くされんことを』(1978)までの、6作品を残している。そこではメディアによる既成のイメージを、それを批判する目的のために逆利用する「転用(détournement)」という方法が使われている。そこでは映画というスペクタクル自体が、徹底して反=映画、反=スペクタクルとして経験され、同時に、また逆に反=映画、反=スペクタクルが、映画やスペクタクルとして経験される。すなわちドゥボールの映画は、現実の反転された等価物として機能し、現実を鏡のように「反映」するのである。そこでは、体制対反体制や、ニセモノ対ホンモノといった、安易な二項対立的な闘いではなく、その二項対立が無効とされた上での、「反映」による闘いが示されているのである。

著者: 河合政之

参考文献

  • 『アンテルナシオナル・シチュアシオニスト(1 - 6)』, ギー・ドゥボール(木下誠ほか訳), インパクト出版会, 1994-2000
  • 『映画に反対して ドゥボール映画作品全集』, ギー・ドゥボール(木下誠訳), 現代思潮新社, 1999
  • 『映画に(反)対して ギー・ドゥボール特集』, 東京日仏学院, 山形国際ドキュメンタリー映画祭, 2009

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