2019年10月15日号
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フィルム・アンデパンダン

Film Independants

1964年に日本で結成された実験的な個人映画を制作・上映するグループ。参加メンバーは飯村隆彦、石崎浩一郎、大林宣彦、高林陽一、金坂健二、佐藤重臣、ドナルド・リチー、足立正生などであり、映像作家と評論家によるグループであった。これらのメンバーのなかでも飯村、高林、リチー、大林は、64年の第3回ベルギー王室フィルム・アーカイヴ国際実験映画祭において特別賞を受賞している。同年12月には2分間の映画作品の公募を行ない、紀伊国屋ホールで上映会「フィルム・アンデパンダン」を開催し、フィルム・アンデパンダンのメンバー以外にも中西夏之、刀根康尚、赤瀬川原平などの作品が上映された。この催しは「アンデパンダン」という表題の通り、「読売アンデパンダン」展中止の延長線上で構想されたものであり、現代美術と個人映画を交差させる試みであった。草月アートセンターによるアメリカのアンダーグラウンド映画の本格的な紹介以前に行なわれた、実験映画/個人映画の催しとして先駆的な例である。これは金坂とリチーというアメリカの状況に通じたメンバーがいたことが大きい。その一方で小型映画やアマチュア映画の流れを受けた大林と高林、また個人で実験映画を制作する一方で「読売アンデパンダン」展に集う作家たちとも親交が深かった飯村の存在などが、フィルム・アンデパンダンの活動を幅広いものとしていた。また、雑誌『映画評論』の編集長となる佐藤はアンダーグラウンド映画に深く傾倒し、60年代後半のアングラブームを誌面を通して牽引してゆくことになる。「フィルム・アンデパンダン」としての上映活動は続く65年にも行なわれたが、次第にグループとしての活動は見られなくなっていった。

著者: 阪本裕文

参考資料

  • 『60年代の実験映画』, 飯村隆彦, 飯村隆彦映像研究所, DVD, 2004
  • 『ドナルド・リチー作品集』, ドナルド・リチー, ダゲレオ出版, DVD, 2004

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