4月1日に田中先生が米国から帰国し、東アジア初のFabLabを鎌倉に設立しようと準備を進めています。蔵でいろいろと作業をしていると、無断で人が入ってくるという面白い場面が何度もありました。蔵の前に説明看板があるので、見学できるのだろうと思って入ってくる方が多いのです。明治21年に秋田に建てられたこの酒蔵は、2004年に志の高いオーナーによって鎌倉に移築されたもので、公共の施設でもなんでもありません。観光客を乗せた人力車が止まって説明するコースにも勝手に組み込まれています。GWになると人でごったがえす鎌倉では、どのくらい蔵に人が迷い込んでくるのか?一体、どういうことになってしまうのか。などなど話し合っているうちに、準備期間中だけどいっそのこと蔵を閉じた状態にするのではなく、人が入りやすい状況を用意してみようという計画が上がりました。正式なオープニングではなく、あくまでも実験的な試みなのでGW期間限定とし、宣伝はあまりしませんでした。ただでさえ、FabLabは一言では説明できない活動なのに、ふと立ち寄った方を対象にしたワークショップなどできるのだろうか?という不安もありましたが、FabLabは実践の文化でありますので、とりあえずやってみることに。
普段閉じている中央の扉を開け放つと、蔵と街との関係が一段と近くなります。石畳の駐車場スペースが縁側のような空間になり、座布団を置いとくと人が勝手に座り一息ついていました。そして、蔵内部で何やら人が入っているので、人が人を呼ぶ好循環が生まれていました。人の波はあるものの、多くの方々と会話することができ、興味を持った方々には、ペーパーカッターを使った簡単なオリジナルカードやステッカーをつくる体験をしていただきました。一番のリクエストは、やはりオリジナルカード。子供の日、母の日、結婚シーズンでもあるので、いろいろなカードを作りました。大切な人に贈る気持ちをカタチにするお手伝いは、関わる人をも幸せにしてくれるのですね。
FabLabは「つくる」人を増やすことに特化している活動なので、どうやったら日常生活において「ものづくり」人口を増やしていくかを考えるよい 機会に なりました。最初の一歩は「自分たちでつくれる」という意識を持ってもらい、「つくりかたの未来」を一緒に模索できる環境を試行錯誤しながらつくっていきたいと思います。考え過ぎて立ち止まるよりも、実践しながら活動を進めていくしかないのですね。そして「場」の持つパワーを再認識することができた、実り多きGW期間限定ワークショップになりました。
ご来場頂 いたみなさま、どうもありがとうございました。
*FabLabkamakuraサイトも少しずつカタチになってきてます↓