2010年にFabLabJapanが発足し、慶応義塾大学田中浩也研究室や多摩美術大学ハッカースペースを準備室として、Make: Tokyo MeetingやDesignEast01、Tokyo Designer’s Week2010などの各地で開催されるイベントに参加しながら活動をしてきました。世界のFabLabの設立は、通常であれば拠点を起点にネットワークが広がっていくという流れが一般的です。しかしながら、日本ではFabLabが目指している「つくりかたの未来」に共感した人々のネットワークから活動がはじまるという、世界でも珍しい設立の仕方をとっています。それだけ、FabLabに可能性を感じている人が多いということを本当に実感しています。
ここで blogを書き始めたのが3月9日。その直後に東日本大震災が発生し、一時は更新を自粛しようと考えておりました。しかしながらFabLabだからこそできることがあるのではないかと考え、むしろ積極的に「ものづくり」をしていこうという発想に切り替えました。混乱の最中、FabLabJapan発起人である田中浩也が、米国MIT客員研究員の留学期間を終えて帰国しました。そして、国内で準備を進めていた鎌倉の蔵を正式に借り受けた日のことが、遠い昔のように思えてきます。この3ヵ月の間、被災地のためにFabLabができることを考え試行錯誤しながら進めたFabforLifeプロジェクト、計画停電のために変更を余儀なくされながらも発見の多かったFabChannel、GWの鎌倉はすごい来場者だというので突如開催した鎌倉ワークショップ、いままでの活動やこれからの可能性を共有するFabNightの開催などを行なってきました。活動を通じて、少しずつそして確実に「ものづくり」の輪が広がってきています。
そして、いよいよ6月から東アジア初となるFabLabが始動します。しかしながら、ここでご理解していただきたいのは、FabLabはサービスを提供する場所ではなく、ものづくりの実験工房です。週1回の一般公開からはじめながら、「つくるひと」を増やしていくようなワークショップを開催していく予定です。私たちはホストでもなく、来場される方もゲストでもない、「ものづくり」を軸としたあたらしい関係性や公共施設の提案をしていきます。FabLabの活動自体が実験なのです。
>>>アクセス地図、使用方法、規定などの詳細はFabLabKamakura公式サイトをご覧ください
まずは、「自分で、私たちでつくことができる」という意識を、参加する人の中に持ってもらうことが大切だと感じています。そして、FabLabを通じた「ものづくり」がきっかけとなり、新しい可能性を見いだしていただければ、こんなに嬉しいことはありません。
一緒に未来をつくっていきましょう!!
3ヵ月間、おつき合いいただきありがとうございました。そして、これからもよろしくお願いします。
このような貴重な機会を与えて下さった編集者の齋藤さんに、この場を借りまして心よりお礼申し上げます。
FabLabJapan一同