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Seiko Mikami Project v.1 「三上晴子と80年代」

最終更新日:2015年10月07日

今年1月に急逝したアーティスト三上晴子の軌跡をたどる展示とトークイベントが開催されています。

三上晴子は、80年代という時代とともに鮮やかに登場しました。1985年の初個展「滅ビノ新造型」で脚光を浴びる以前に、すでに東京の最先端のアート シーンにおいて、華やかな存在として注目を集めていました。その後、神経や脳を思わせるケーブルやコンピュータの電子基板を使ったオブジェやインスタレーションを発表、急速に発展する情報社会における都市と身体の関係を提示するものでした。膨大な廃棄物が集積され作品へと転化された光景は、ポストモダンが始まり、バブル経済に向って変容する都市に逆襲するかのようなデッドテックな雰囲気に満ちていました。
92年に渡米しコンピュータ科学を学ぶなか、不可視の情報と身体の関係へと興味が移行、90年代半ば以降、インタラクティヴ作品を発表し始めます。それと 同時に三上は、80年代の作品を封印するようになりました。しかし80年代の活動は、素材や表現方法が異なっていようとも、アーティスト三上晴子が形成さ れた基盤であり、その根幹や問題系は、近年の作品に至るまで通底しているのではないでしょうか。


■作品展示
出品作品(予定)
《Iron Plant》(1984−1985)、《Dead Micky》(1987)、《Bio Chips》(1988-1991)、《Information Weapon》(1990)他

■資料展示
・三上晴子の80年代の活動歴と80年代年表の掲示
・三上晴子と関わりがあった方々からのコメント
・展覧会写真、記録映像、TV映像の上映

■イべント
10/10(土)17:00〜 トーク/椹木野衣(美術評論家)×山川冬樹(ホーメイ歌手・美術家)
10/12(月・祝)19:00〜 トーク/山形浩生(評論家)
10/16(金)19:00〜 トーク/嘉藤笑子(Art Autonomy Networkディレクター)×常葉のゆり(コーディネーター)
10/24(土)19:00〜 ライブ/山川冬樹(ホーメイ歌手・美術家)  *終演後トークあり 前売:2500円/当日:3000円
10/17(土)19:00〜 トーク/都築響一(編集者)
10/25(日)15:00〜18:00 トーク/池内務(レントゲンヴェルケ代表)、芹沢高志(P3 art and environment 統括ディレクター)、今野裕一(夜想編集長)
ラウンドテーブル

トークイベントの料金:特に記載がないものは前売・当日:1500円(展覧会入場料含む)
※各イベントの詳細とご予約は下記の本イベントのウェブサイトをご参照ください。

□三上晴子(みかみ せいこ)
1961年生まれ。1984年から情報社会と身体をテーマとした大規模なインスタレーション作品を発表。1992年から2000年までニューヨークを拠点に日本及び欧米で数多くの作品を発表する。1995年からは「知覚によるインターフェイス」をテーマとしたインタラクティヴな作品を発表。2000年に多摩美術大学情報デザイン学科に着任。国内外の美術館・ギャラリー、メディア・アート・フェスティバルに出品参加。2013年には《欲望のコード》(山口情報芸術センター[YCAM]委嘱作品、2010)が第16回文化庁メディア芸術祭のアート部門で優秀賞を受賞。2015年1月2日没。

□企画・キュレーション:今野裕一+四方幸子

会場
parabolica-bis [パラボリカ・ビス]
(東京都台東区柳橋2-18-11)
会期
2015年10月2日(金)〜26日(月)
※10月21日(水)、23日(金)は資料室をcloseします。
入場料
500円(開催中の展覧会共通)
休館日
毎週月曜日(祝日の場合は開館し、翌日休館)
開館時間
月〜金/13:00〜20:00 土日祝/12:00〜19:00
問い合わせ先
parabolica-bis [パラボリカ・ビス]
Tel. 03-5835-1180
主催
Seiko Mikami Project v.1実行委員会 (今野裕一/四方幸子/時里充/新妻葉子/馬定延/ミルキィ・イソベ)、ステュディオ・パラボリカ
ウェブサイト
http://www.yaso-peyotl.com/archives/2015/09/seiko_mikami_project_v1_80_2015102_26.html