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村上慧 移住を生活する

最終更新日:2020年10月28日

村上慧(1988- )は、東日本大震災のあった2011年3月に武蔵野美術大学造形学部建築学科を卒業しました。震災をきっかけに発泡スチロールを素材にした自作の家を担いで歩き、国内外で移住を繰り返すプロジェクト「移住を生活する」を開始しました。

本プロジェクトは、東日本大震災で多くの人々が家を失ったこと、震災後のコミュニティの衰退、そして震災の直前に友人たちと家を借りる契約をしたけれど、すぐには移動できなかったことへの疑問に始まりました。必要以上に物や金を蓄えるために生きる日常や、公私に空間を分化する社会的な条件や理由について探るこのプロジェクトは、個人の生活がどのように社会に影響を与えるのかを考察します。

本展は、2019年に当館のコレクションとなった作品《移住を生活する 2015.5-2018.9》に加え、村上がプロジェクトを開始した2014年4月5日から現在まで続く「移住を生活する」の全貌を展示する初めての機会となります。 村上が家を担いで移動した先で出会った人々、景色、出来事をつづった日記、ドローイング、写真、そして村上が歩いたルートをたどる地図によって構成される展示空間は、まるで村上とともに移住を生活し、村上が思考し葛藤したその只中にいるかのようでもあります。また、会期中「移住を生活する」を下敷きに始まった「広告看板の家」プロジェクトの最新作も美術館の庭に設置されます。

社会の中で感じ取った違和感や疑問をユニークな方法で私たちに提示し議論の場を作る村上の作品を通して、震災以後の日本の社会で生きることについて向き合い、改めて自分自身の力で考える機会となることを期待しています。

ウェブサイトより)

写真:
2018年8月30日石川県金沢市
photo: TAMURA Can

作家プロフィール

村上慧(MURAKAMI Satoshi)
1988年東京都生まれ、同地在住。2011年武蔵野美術大学造形学部建築学科卒業。私(わたくし)と公(おおやけ)の関係に着目し、個人の生活がどのように社会に影響を与えるかを考察している。東アジア文化都市金沢2018「変容する家」(石川)、「高松コンテポラリーアート・アニュアルvol.08-社会を解剖する」(高松市美術館、香川)をはじめ近年は国内外の美術館や芸術祭への出品多数。

関連イヴェント

トーク

移住生活をするなかで生活に欠かすことのできない要素、例えば「衣食住」「コミュニティ」「労働」といったテーマと向き合ってきた作家は、日々生活するなかでこれらの要素に疑問を抱き、考察してきたことを会場内で議論する場を設けます。
※詳細については公式サイトでご確認ください。

ワークショップ

会期中、美術館敷地内で落ち葉を拾い、地面に温床を作るワークショップを実施予定。また、金石エリアに滞在し、地域の人々を巻き込んだワークショップも計画しています。
※詳細については公式サイトでご確認ください。

滞在スケジュール

10月〜11月上旬
金沢市内に滞在しながら、ワークショップやトークイベントを開催

11月中旬〜下旬
金沢から珠洲へ「移住を生活する」実施

12月〜3月
金石レジデンスに滞在しながらワークショップやトークイベントを開催

展覧会概要

会場
金沢21世紀美術館 展示室13、交流ゾーン、広場
(石川県金沢市広坂1-2-1)
会期
2020年10月17日(土)〜2021年3月7日(日)
入場料
無料
開館時間
10:00-18:00
*金・土は20:00まで、1/2、3は17:00まで
問い合わせ先
金沢21世紀美術館
Tel:076-220-2800
主催
金沢21世紀美術館[公益財団法人金沢芸術創造財団]
休場日
月曜日、11月24日、12月29日〜1月1日 、1月12日
*ただし11月23日、1月11日は開場
ウェブサイト
https://www.kanazawa21.jp/data_list.php?g=17&d=1786