アートフラッシュニュース

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「舞踏ニューアーカイヴ展」予約開始

最終更新日:2021年07月05日

ダンスはどのようにアーカイブできるのか?
舞踏を新たな切り口で展示するリアルな展覧会です。舞台芸術では、上演が終わるとその作品に関連する多くの資料——ポスター、衣装、創作ノート、写真といった周辺資料が残されます。それらをデジタル化し、アーカイブとして多くの人と共有する取り組みが進んでいます。
この展覧会では、写真家、映像作家、画家という3人の表現者がそれぞれの視点から舞踏の存在そのものをヴィジュアル作品として展示します。それらは、これまでの記録と保存のためのアーカイブではなく、舞踏を次世代へ繋ぐための創造的な「ニューアーカイブ」です。
写真家、鷹野隆大が10人の舞踏家の影を映像作品にした新作『RED & GREEN』
映像作家、飯名尚人がディレクションした、土方巽、大野一雄、大野慶人の代表作を現代のダンサーが完全コピーした映像および疑似ホログラム作品『三』
画家、石原葉がTRUオンラインコンテンツのために描いた現画をインスタレーション作品として展示する『舞踏出来事ロジー天井画』
以上の3作品を展示します。予約・入替制、感染症対策を徹底しての開催です。

ウェブサイトより)

©naoto iina


展覧会概要

会期
2021年8月3日(火)~8月15日(日)

開館時間
月~金:14:00-20:00、土:13:00-21:00、日:11:00-18:00

会場
北千住BUoY 地下スペース
(東京都足立区千住仲町49-11)

入場料
無料

予約フォーム
https://tokyorealunderground.wufoo.com/forms/wwz2ua10nm2wg2/
*日時指定事前予約制(1時間毎に入替/各回定員20名)

主な展示内容

鷹野隆大『RED & GREEN』

“消えゆく身体をアーカイヴする”
現代日本を代表する写真家、鷹野隆大による新作映像作品です。
写真家としての視点から映像をどう使うか、そして、身体をどのように映像の中で扱うか、ということに興味を持ち、映像作品企画『RED & GREEN』をスタートしました。今回は、石井則仁、石本華江、岩渕貞太、上杉満代、小林嵯峨、鈴木ユキオ、蝉丸、武内靖彦、向雲太郎、吉本大輔、当代を代表する舞踏家たちとのコラボレーションです。
この作品では、壁一面に蓄光塗料が塗られた空間に、真紅の照明が焚かれ、その中で舞踏家は佇んだり、踊ったりという静かな、しかし個性的な動きを繰り返します。そこで強いストロボが発光すると、舞踏家の影が蓄光の壁に定着され、影だけが残されます。舞踏家が立ち去った後、蓄光の緑と舞踏家の黒い影だけが残り、その影もやがて数分ほどで静かに消滅します。赤と緑の光の時間軸の中で肉体の幻影が明滅する、静かな映像作品です。写真が生まれる瞬間に立ち会うかのような体験を作り出し、「消えゆく身体のアーカイヴ」というダンスアーカイヴの根本的な問いを投げかけます。

コンセプト・撮影・ディレクション:鷹野隆大
キュレーション : 飯名尚人
出演:石井則仁、石本華江、岩渕貞太、上杉満代、小林嵯峨、鈴木ユキオ、蝉丸、武内靖彦、向雲太郎、吉本大輔 (50音順)
機材提供:ソニーマーケティング株式会社

飯名尚人『三』

“三面疑似ホログラムでアーカイヴする”
舞踏の誕生に深く関わった3人の舞踏家——土方巽、大野一雄、大野慶人の代表作を現代のダンサーが完全コピーします。踊り手は川村美紀子、川口隆夫、松岡大。舞踏の精神に現代の手法で鋭く反応する、当代きっての3人です。川村が土方巽の『疱瘡譚』(1972)、川口が大野一雄の『ラ・アルヘンチーナ頌』(1977)、松岡が大野慶人の『土方三章』(1985)を厳密に再現します。3人のパフォーマンスを三方向から同時に記録した映像を使い、三面擬似ホログラムの映像インスタレーションを制作しました。このパフォーマンスを旧博物館動物園駅で行った模様はTRUオンライン内で同名のタイトルで配信中です。
疑似ホログラムの元になる映像は、正面、右、左の3方向からダンサーの踊りを撮影した映像を合成したものです。ダンサーの踊りの重心や足の位置を3方向から記録する映像とその合成映像を再生する疑似ホログラムは、立体的に踊りを記録し、再生することができ、より精細な動きのアーカイヴを可能にしています。

ディレクション : 飯名尚人
出演:川口隆夫、川村美紀子、松岡大
撮影編集:吉田尚弘、河村衣里、飯名尚人

石原葉『舞踏出来事ロジー・天井画』

“舞踏を出来事としてアーカイヴする”
TRUエキシビションとしてオンラインで展示中の作品「舞踏出来事ロジー」は、舞踏が様々な領域で活躍してきたことを「出来事」として年表にしています。この「舞踏出来事ロジー」に挿入された石原のイラストは写真や映像資料から得た「印象」を核にして描かれています。本展では、この年表に使われた人の心に残る「記憶」や「印象」を伝えるイラスト49点を一堂に集めて、天井画として展示します。

イラスト : 石原葉
キュレーション : 飯名尚人


問い合わせ先
TOKYO REAL UNDERGROUND
E-mail:info@dance-archive.net
主催
東京都、公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京
ウェブサイト
http://www.tokyorealunderground.net/program/newarchive.html