アートフラッシュニュース

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大阪フィルムアーカイブ計画 2021年度 収集・所蔵フィルム 上映会

最終更新日:2022年03月04日

近代都市・大阪の映像と時代

時代が大正から昭和になると、大阪の市井の人々のなかにも、自らカメラを持って映像を撮影する人たちが現れてきた。その背景には、都市における新中間層(ホワイトカラー)の台頭がある。彼らは、郊外に開発された住宅地に両親と子どもの核家族で住むケースが多かった。そこに、家族の日常や行楽の様子を捉えた「ホーム・ムービー」が生まれる。この傾向は戦後も続き、高度成長期に建設された団地に居住する家族も同様の映像を撮った。アマチュア・カメラマンが視線を向けた対象は、繁華街や近代建築、イベントなど多岐にわたる。大阪の場合、昭和初期に造られた新たな施設(大阪城天守閣が代表例)も多いため、そのような被写体に人気が集まった。その都市が持つ性格と撮影される映像は不可分の関係にあり、上映作品から大阪の映像の特徴を見付けるのも楽しいだろう。

(船越幹央/大阪歴史博物館学芸員)

大阪フィルムアーカイブ計画とは

大阪フィルムアーカイブ計画は、過ぎゆく時間を記録する映像フィルムと、そのフィルムのひとコマひとコマを動画として再生することでよみがえる大阪、さまざまな日々の出来事と人々の暮らし、地域の記憶を継承していくプロジェクトです。 このプロジェクトでは、大阪で生きた人、大阪を訪れた人の撮影した映像フィルムを集め、動画として再生し、被写体となった明治・大正・昭和の時代の大阪や、大阪に暮らす人々の姿をいろいろな視点から見なおすことができるようにしていきます。過去の時代に生きた人々が見ていたものを現在に生きるみなさんと一緒にひもとき、大阪の歴史の一場面として未来の人々へ手渡します。

(松山ひとみ/大阪中之島美術館学芸員)

ウェブサイトより)

全7プログラム

A【戦前の大阪】1917~1940頃(デジタル上映/77分)

「大阪倉庫の爆発」、「護れ我等の大空」、「大阪名所と亀の瀬地すべり」、「日本の姿・都市の建築美」

B【戦前モダン大阪と娯楽】(16mmフィルム上映/60分)

「モダン大阪の都市景観」、「関取千両幟」

C【戦前のシネクラブとアマチュア映画の愉しみ】(デジタル上映/56分)

「大阪城と満蒙大博覧会」、「大阪城付近と島之内」、「遊ぶこどもたちと高津宮」、「衆院選の当選祝い」、「出征軍人の歓迎」、「建国祭の北浜付近と道頓堀」、「北新地の宝恵かごと大阪天満宮の正月」、「生國魂神社の祭礼」、「大美野田園都市」、「ハジメ」、「近代風景」、「Osaka Port 開港祭」、「杓雪」、「海ノ唄」、「終戦後の大阪」

D【戦前のホーム・ムービー〈平見家の生活〉】(デジタル上映/61分)

「甲子園球場」、「浜甲子園 阪神パーク」、「浜甲子園 白浜稲荷湯温泉」、「和歌山県白浜 稲荷湯」、「天王山ハイキング」、「家~阪神水族館」、「運動会」

E【戦後の大阪の復興-1】(16mmフィルム上映/65分)

「どこかで春が」

F【戦後の大阪の復興-2】(デジタル上映68分)

「うさぎのお耳」、「私はだまされた」、「晃 1961.12月頃」、「新春」、「41.10 誕生日(晃、伸)」

G【戦後・企業の歴史とバブルへ】16mmフィルム上映/(76分)

「田辺製薬 この10年」、「世界は大阪から」

特別連携上映 最新の大阪の風景を撮影した1分間の物語<シネマ・スコラ2022作品>

「Film goes On」「作戦」「カメラ女子」「羊頭狗肉(ようとうくにく)」「サイコーSession」「狙い」「天までとどけ」「裏取引」「エン結びの森」「ヲタクの夢」「初対面」

オンラインワークショップ「地域映像で記憶をひらく」

日時|3月5日(土)13:30~
会場|オンラインミーティング(ZOOM)
参加費|無料
対象・定員|自治体職員、図書館員、博物館・美術館職員など、地域資料の収集に関わる人(定員80名)
*申し込みはこちらをご覧ください。

上映概要

会場
プラネット・プラス・ワン
(大阪府大阪市北区中崎2-3-12)
会期
2022年3月5日(土)~3月12日(土) *上映スケジュールは公式サイトをご覧ください。
入場料
無料(要事前予約)
予約方法(3月3日まで)電話か下記メールフォームのみ
*電話:プラネット・プラス・ワン 06-6377-0023(10:00~19:00)
*メールフォームはこちら