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竹中美幸展 物語はつづく

最終更新日:2023年02月09日

スイトピアセンター開設30周年を記念して、大垣市出身の美術家 竹中美幸の展覧会を開催します。透明な素材を用いる表現手法にこだわってきた竹中は、初期には透明水彩を中心に、続いてアクリル樹脂や、映画用フィルムを素材としてきました。そして、平面に限らず、立体的な造形や、インスタレーションへと作風を広げています。そこには一貫して、透明な対象への憧憬にも似た作家の探究心が感じられます。


また、2013年頃より展開する映画用フィルムを用いた作品では、初期は、光そのものを写し取っていましたが、のちに、光以外の具体的な形を写すようになっていきます。あえかな光を放つ透明なフィルムに映し出された影は、遠い記憶のように曖昧に、そして、やわらかに形を成しています。姿を留める対象は、長年使われた電灯や椅子など。失われゆくものたちの記憶と、それらの過ごしてきた時間を留めるかのようにフィルムに写し取られた形は、多くを語らず、ただ見る者に物語を委ねます。透明であることを超えて、そこには、記憶と記録を巡る物語が紡がれていきます。


新作・近作で構成される本展では、奥の細道むすびの地である大垣にちなみ、俳聖松尾芭蕉の旅をテーマにした作品や、スイトピアセンターの記憶を辿り、今では貴重となった開設当時の70mmフィルムを作品として生まれ変わらせます。それは、記憶を巡る旅路の物語とも言えます。


やわらかな光の先には、その瞬間の美が宿り、私たちの記憶に語りかけてきます。そこにはきっと、あなただけの新たな物語が生まれゆくでしょう。


そして、物語はつづく。

ウェブサイトより)

竹中美幸

大垣市出身。多摩美術大学美術学部絵画学科油画専攻卒業後、同大学大学院美術研究科修了。東京を拠点に活動。主に透明な素材を用いて制作しており、光や影を取り込んだ平面作品やインスタレーションに展開。 近年の個展に「陰と陽と」(2022 アートフロントギャラリー/東京)、「都市のさざめき」(2019 新宿パークタワーギャラリー1/東京)など。近年のグループ展に奥能登国際芸術祭2020+(スズシアターミュージアム/石川)、クインテットⅣ五つ星の作家たち(2018 SOMPO美術館/東京)、シェル美術賞アーティスト・セレクション2017(国立新美術館/東京)など。 主な受賞歴に2020年清流の国ぎふ芸術祭/篠原資明賞、2012年シェル美術賞/島敦彦審査員奨励賞、トーキョーワンダーウォール2010/ワンダーウォール賞など。
https://takenakamiyuki.com

展覧会概要

会場
大垣市スイトピアセンターアートギャラリー
(岐阜県大垣市室本町5-51)
会期
2023年2月4日(土)〜3月21日(火・祝)
入場料
無料
休館日
火曜日(祝日を除く)
2/13(月)、2/24(金)
開館時間
9:00〜17:00 (最終入場時間 16:30)
問い合わせ先
(公財)大垣市文化事業団 事業課
TEL:0584-82-2310 
主催
大垣市・大垣市教育委員会
ウェブサイト
https://www.artagenda.jp/exhibition/detail/7783