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Nell Shiina「Where now in our gaze?」
最終更新日:2023年03月08日
Nell Shiinaは、イングランドと日本にアイデンティティを持つ芸術家で、解剖学や哲学を軸に物事の実存と不在の境界を表現するような彫刻や、それに付随するドローイングやペインティングを制作している。ロンドンとパリを拠点に活動した後、現在は京都に拠点を移し、自身のアトリエとカフェを併設したギャラリー「Flim Kyoto」のオーナーも務める。
本展では、高さ3mにおよぶコンクリートの彫刻が重森三玲により作庭された枯山水庭園「波心庭」に展示されるほか、新作のドローイングも展示される。この彫刻は、アラタ スズキ(建築設計)、MAT一級建築士事務所(施工)とのコラボレーション作品で、Nell Shiinaが粘土や石膏を用いて制作した鋳型から、アラタ スズキが柱の3Dデータを再設計し、それを日本初となる建築用3Dプリンターによってコンクリートとして出力することで制作される。
粘土、石膏、コンクリートと複数のマテリアルでの転写を経て成形された柱は、その影によって対峙する鑑賞者に自己の存在を意識させ、ひいては光明院や波心庭に潜む幻影を感じさせる。
Nell Shiina
イングランドと日本にアイデンティティを持ち、パリとロンドンを拠点に彫刻及びそれに付随するドローイングやペインティングをメインに活動する芸術家。現在は日本でのルーツである京都に自身のアトリエとカフェを併設したギャラリーを運営している。
16歳の時にロンドンでの個展から彫刻家としてのキャリアが始まり、イギリスで高校卒業後ロンドンの芸術大学でファインアートを学ぶ。その後イングランド国内で美術解剖学を専攻しながら物理学や西洋哲学を学び渡仏。パリで年数回、顧客向けに個展を開催しながら学位を取得。2023年3月には京都、東京にて個展を開催予定。
解剖学や哲学を軸に懐疑的なアプローチで物事の本質、人間の存在などラディカルなテーマにしながらも自己言及的側面から推察される物事の関係性についても表現している。近年ではLegitimate、Inchoate、Antagonismをモットーに石膏や鉄を使い空虚の存在、不在、風化後の情報の行方についてを表現を行いながらも、コンテンポラリーアートにおいての彫刻自体の芸術的価値や立場についても言及している。
展覧会概要
- 会場
- 光明院
(京都市東山区本町15丁目809) - 会期
- 2023年3月10日(金)〜4月9日(日)
- 入場料
- 志納300円程度(光明院)
- 開館時間
- 7:00〜日没(季節により変動)
- 問い合わせ先
- E-mail:info@ubsnant.jp
- ウェブサイト
- https://www.tiredoflondon.net/wniog