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Salomé -Passion ~考察・現代作家によるサロメの愛と死~
最終更新日:2023年09月05日
古代イスラエル王・ヘロデの欲望と下心を奪ってはなさない妖艶な美女、サロメ。
ヘロデが欲する、「七つのベールの踊り」を月光に照らされた宴の席上で披露することと引き換えに、サロメは褒美として銀の皿に載せられた預言者ヨカナーンの生首を所望する…
幻想的な怪奇とエロスで知られる世紀末文学の傑作である。
「サロメ」は元来、新約聖書の中の一節であったが、19世紀末のヴィクトリア朝時代、オスカー・ワイルドとオーブリー・ビアズリーによってエロスとデカダンスを織り交ぜた解釈で再構築された。当時21歳のビアズリーが手掛けた挿絵を原作者であるワイルドが酷評した理由は、浮世絵の影響によって当時流行したジャポニズム表現と、ワイルドの原作では登場しない人物・場面をビアズリーの独自の解釈・創作で描いてしまったことに起因している。英語・仏語・独語版などヨーロッパ各国で刊行されたが、退廃的な描写の為、国によっては宗教上の理由で挿絵に修正を施して刊行された。このような不協和音にも関わらず、ビアズリーの解釈による「サロメ」はワイルドの原作とは無関係に絶賛され、リヒャルト・シュトラウスのオペラ「七つのベールの踊り」の原典として、また初めて日本語に翻訳したのは森鴎外で、早くも大正2年には島村抱月演出、松井須磨子主演で帝国劇場にて舞台公演が行われた。発表から100年以上経た現在でもオペラや演劇の演出など、表現者たちの好奇心を刺激し、時代によってさまざまな解釈が行われ、芸術的題材として扱われ続けている。
本展では「サロメ」の物語に魅了され、その中に秘められた深淵の世界に潜む「エロス・タナトス」「メメント・モリ」「ファム・ファタール」などをテーマに、15名の作家による、ワイルドやビアズリーも驚愕するであろう、独自の解釈で描かれた平面・立体作品を展覧販売する。
展覧会概要
- 会場
- Bunkamura Gallery 8/
(東京都渋谷区渋谷2-21-1 渋谷ヒカリエ8F) - 会期
- 2023年9月7日(木)~9月19日(火)
- 開館時間
- 11:00~20:00
- 問い合わせ先
- Bunkamura Gallery
TEL:03-3477-9174 - 主催
- Bunkamura Gallery
- 出展作家
- 浅野信二、愛実、井桁裕子、木村龍、須川まきこ、多賀新、成田朱希、二階健 衣(HATORI)、林美登利、マンタム、三浦悦子、村上仁美、山下昇平、山村俊雄
- ウェブサイト
- https://www.bunkamura.co.jp/gallery/exhibition/230907salome.html