アートフラッシュニュース

最新の情報は、各施設の公式ホームページなどでご確認ください。

SHUTLオープニング展示シリーズ 第1期 「伝統のメタボリズム〜言葉と文字〜」

最終更新日:2023年10月12日

2023年10月13日(金)より2024年春にかけて、「SHUTL」のオープニングを飾る最初の自主企画展示として、施設のコンセプト「未来のオーセンティック」を体現するシリーズ展示企画「伝統のメタボリズム」を開催します。本シリーズでは、SHUTLのコンセプト「未来のオーセンティック」を体現する企画として、伝統という概念そのものを問い直し、新陳代謝を促進するさまざまな表現を「言葉と文字」「様式の変容」「見立て」の3期にわたって紹介します。

シリーズの第1期として、2023年10月13日(金)~11月5日(日)に「伝統のメタボリズム〜言葉と文字〜」を開催します。

本展では、コミュニケーションやアーカイブにおける基本要素である「言葉」と「文字」の輪郭と変化に着目します。他者と繋がり、生活するうえで不可欠の要素である「言葉」と「文字」が、これからどのような変化を遂げるのか。そして未来のオーセンティックとなり得る新しいコミュニケーション手段が出現するのか。本展は、そのような問いから現在形の「言葉」と「文字」のありようを見つめ、伝統が更新される予感を可視化する試みです。

シリーズの第1期の本展では、詩、現代美術、デザインというカテゴリーからアーティスト・クリエイターを選出しました。デジタルネイティブ世代の詩人として現代詩手帖賞・中原中也賞等を受賞し、詩という表現ジャンルで多彩な活動を展開する最果タヒ+展示デザインを手掛ける佐々木俊。2010年からSNS上で匿名のアーティストとして活動し、泣き笑いの絵文字を用いた代表作《The Laughing Man》をはじめ、さまざまなメディアを駆使したコンセプチュアルアートで国内外で注目を集める松田将英。そしてSHUTLのロゴデザインをはじめ、関西から日本のみならず世界にその存在感を発揮している新進気鋭のデザイナー三重野龍。三者それぞれが今回のテーマに応答した作品を発表します。

作品を通じて鑑賞者は言葉や文字による表現の現在形に出会い、これから更新されうる未来のオーセンティックとしての伝統の可能性について思考するきっかけとなるでしょう。

出展作家

最果タヒ

1986年生まれ。詩人。中原中也賞、現代詩花椿賞などを受賞。主な詩集に『夜空はいつでも最高密度の青色だ』『天国と、とてつもない暇』『不死身のつもりの流れ星』、エッセイ集に『きみの言い訳は最高の芸術』『「好き」の因数分解』、小説に『星か獣になる季節』『パパララレレルル』などがある。

佐々木俊

1985年仙台生まれ、東京在住。2010年多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒業。

アドブレーン、グリッツデザインを経て、2016年デザイン事務所AYOND(アヨンド)を設立。これまで最果タヒの複数の著書、展示環境のデザインを担当。その他の仕事として、NIKE吉祥寺店の店舗グラフィック、東京国立近代美術館「デザインの(居)場所」宣伝美術、連続テレビ小説『エール』タイトルロゴなどがある。参加展示として、2018年太田市美術館・図書館『ことばをながめる、ことばとあるく―詩と歌のある風景』がある。

松田将英

1986年生まれ。現代美術家。2010年からソーシャルメディアで活動を開始。都市や社会に直接的に介入しながら、人々と共同で作り上げる芸術実践が高く評価され、2016年に「アルス・エレクトロニカ賞」優秀賞を受賞。同年に渡独し、現在は新世代のコンセプチュアル・アーティストとして国内外で注目を集めている。近年の主な展覧会に「それは知っている:形が精神になるとき」(金沢21世紀美術館、2023)、「六本木アートナイト」(東京ミッドタウン、2022)など。

三重野龍

1988年兵庫県生まれ。2011年京都精華大学グラフィックデザインコース卒業。大学卒業後、京都にてフリーのグラフィックデザイナーとして活動開始。
美術や舞台作品の広報物デザインを中心に、ロゴやグッズなど、文字を軸にしたグラフィック制作を実践。現在までなんとか生き延びている。

SHUTL

SHUTLは、現代の表現者が日本文化と出会い直し、自らの表現と伝統を結びつけることによって、新たな表現方法を模索することのできる、開かれた創造活動の実験場(ラボ)。舞台となるのは、建築家黒川紀章らが提唱した「メタボリズム(新陳代謝)」運動の代表的な建築として知られる、中銀カプセルタワービルの2基のカプセル。
設計当時、生物の細胞に見立てられたカプセルは、その役割を居住空間から創造空間へと変容させ、伝統が現代の作家によって再解釈される場として新たに息づく。創造は数え切れない実験と失敗の繰り返しから始まる。SHUTL - ここからまだ見ぬ「未来のオーセンティック」が打ち上がる。

ウェブサイトより)

展覧会概要

会場
SHUTL
(東京都中央区築地4-1-8)
会期
2023年10月13日(金)〜11月5日(日)
入場料
無料
休館日
火・水曜日
開館時間
13:00〜19:00
ウェブサイト
https://shutl.shochiku.co.jp/exhibition/metabolismoftradition01/