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京都市立芸術大学移転記念事業 久門剛史「Dear Future Person, 」

最終更新日:2023年12月11日

京都市立芸術大学ギャラリー@KCUAは、2010年より拠点としていた堀川御池を離れ、2023年10月にオープンした京都駅東側エリアの本学新キャンパス内にて活動することになりました。新たな展示室での記念すべき最初の展覧会として、気鋭の美術家、久門剛史(1981年京都府生まれ、京都府在住、本学彫刻専攻出身)による個展を開催します。

久門は、自らの体験を通じて自然、地球、そして宇宙と人間との関係を考察し、それらに着想を得た音、光といった無形の事象と造形物で構成するインスタレーション作品を中心とした制作活動を続けてきました。非常に繊細でありながらもスケールの大きな事象を感じさせる豊かで巧みな表現によって、鑑賞者個々の身体感覚に訴えかけ、潜在的な意識への気づきをもたらす作品は国内外で非常に高く評価されています。

本展は、久門にとって出身地であり、活動拠点でもある京都での初個展となります。首都の喧騒から少し離れて、古くからの人間の活動の記憶をとどめる京都に身を置き、また日本最古の芸術大学である本学にて、独自の哲学をもって制作を続けるさまざまな表現者と出会い学んだことは、久門の感性をさらに研ぎ澄ませ、その表現に深みを与えてきたと言えるでしょう。緻密にプログラムされた空間と事象の構成の巧みさを強調されがちですが、他の追随を許さぬ造形力の高さ、制作過程においても一回性、唯一性を貫くその精神こそが、久門作品に並ならぬ緊張感を与える最も重要な要素の一つとなっているのです。

本展では、新しい@KCUAの展示室に合わせて構成された、唯一無二の大規模なインスタレーションが展開されます。それはタイトルにあるように、思考と表現を深め、各々の瑞々しい感性で世界を捉えようとする活動の場である芸術大学を舞台に、久門が一人の表現者として「未来の人」へ向けた壮大なメッセージとも受け取れるかもしれません。その作品世界に対峙するとき、現代に生きる私たちのそれぞれの現在地、そして来るべき未来について、あらためて考えるきっかけがもたらされることでしょう。

ウェブサイトより)

ジャミール・アーツ・センター(ドバイ)での展示風景( 2023)
撮影:久門剛史


久門剛史

1981年京都府生まれ。2007年京都市立芸術大学大学院美術研究科彫刻専攻修了。人の営みを構成する根源的な感性や唯一性/永遠性に関心を寄せ、音や光、プログラミング、彫刻、絵画、大規模なインスタレーションなど多様な手法でコンセプチュアルな作品を発表している。作品を通じて鑑賞者の記憶や想像を共振させ、視覚や聴覚を研ぎ澄ますように促す。主な展覧会に、個展「Tsuyoshi Hisakado: Polite Existence」ジャミール・アーツ・センター、ドバイ(2023年)、「ハワイトリエンナーレ2022」ホノルル、アメリカ(2022年)、個展「らせんの練習」豊田市美術館、愛知(2020年)、「58th Venice Biennale 2019」ヴェネチア、イタリア(2019年)、「MAMプロジェクト025:久門剛史+アピチャッポン・ウィーラセタクン」森美術館、東京(2018年)、「アジア回廊 現代美術展」二条城、京都芸術センター(2017年)、「あいちトリエンナーレ2016」愛知県各地(2016年)など。チェルフィッチュの演劇作品「部屋に流れる時間の旅」では舞台美術と音を担当。主な賞歴に、「京都府文化賞奨励賞」(2018年)、「メルセデス・ベンツ アート・スコープ2018-2020」(2018年)、「VOCA賞」(2016年)、「京都市芸術新人賞」(2016年)、「日産アートアワード2015 オーディエンス賞」(2015年)など。そのほか、文化庁「東アジア文化交流使」により中国へ派遣(2016年)。平成27年度京都市芸術文化特別奨励者。現在、京都府在住。

キュレーターズミーティング

日時|2024年2月11日(日) 14:00〜16:00
会場|京都市立芸術大学C-101 講義室 1(事前申込不要、入場無料)
【第1部】プレゼンテーション
登壇|久門剛史(美術家)、井関悠(水戸芸術館現代美術ギャラリー主任学芸員)ほか
【第2部】ディスカッション
登壇|赤井あずみ(鳥取県立博物館)、井関悠(水戸芸術館)、佐々木玄太郎(熊本市現代美術館)、中田耕市(丸亀市猪熊弦一郎現代美術館)、中村史子(大阪中之島美術館)、服部浩之(東京藝術大学)、馬定延(関西大学)、松岡剛(広島市現代美術館)、藤田瑞穂(京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA)
*詳細はこちらをご覧ください。

久門剛史 アーティスト・トーク

日時|2024年2月17日(土) 14:00–15:00
会場|京都市立芸術大学C-101 講義室 1(事前申込不要、入場無料)
*詳細はこちらをご覧ください。

展覧会概要

会場
京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA
(京都府京都市下京区下之町57-1)
会期
2023年12月16日(土)〜2024年2月18日(日)
入場料
無料
休館日
月曜日
*年末年始(12/29〜1/3)
*1/8、2/12は開館、翌火曜日(1/9、2/13)を休館
開館時間
11:00〜19:00
問い合わせ先
京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA
TEL:075-585-2010
主催
京都市立芸術大学
ウェブサイト
https://gallery.kcua.ac.jp/archives/2023/10367