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高木由利子 写真展 chaoscosmos vol.2 -sakura- カオスコスモス 弐 - 桜 -

最終更新日:2024年03月07日

桜の儚さや潔さに翻弄されながら撮り続ける記録

chaoscosmos
カオス(混沌)から、何らかの働きの元に、コスモス(秩序=宇宙)が誕生したであろうと、私は長い間、漠然と想像していた。つまり、混沌と秩序はどちらかと言うと、私の中では因果関係に近かった。とあるきっかけで、自然現象をレンズを通して捉えていくうちに、もしかするとカオスとコスモスは同時多発的に共存しているのではないか、と言う「気づき」が生じてきた。宇宙の摂理は、私たちが日常的に漠然と受け止めているよりも、遥かに複雑で綿密で意外性に富んでいるようだ。それぞれの物質、生命の特性(現象)は、この宇宙に存続するための方法論なのかもしれないとも思う。その現象が時として、レンズを通して視覚的に現れることがある。肉眼では見えない、あるいは気付かない自然現象に潜んでいるMMMを、ある時から、カメラというメカニズムを介して、ささやかなメッセージとして受け取るようになった。そのメッセージを、私は chaoscosmos と呼ぶことにした。
注)M: magical M: mysterious M: miracle
chaoscosmos vol.1 -icing process- に引き続き、vol.2 -sakura- を発表します。


桜のゆくえ
我々日本人はある時から、桜の開花宣言を心待ちにするようになった。平安時代の国風文化の影響以降、桜は花の代名詞になるほど、特別な位置を占めるようになったらしい。日本人が愛してやまない桜。この十年余り、私なりの視点で桜の儚さや潔さに翻弄されながら撮り続けている。桜の開花速報よりも、どちらかと言うと、何時散り始めるかが知りたい! 一年に一回のチャンス。誇らしげに華やかに咲き乱れ、束の間に散り去るその行方に興味が湧く。そして、図らずしも私は七年前に、樹齢百五十年の二本の山桜が土地の主の風貌で聳え立つ、標高1000mの土地に巡り合い、そこに移住することを即決した。呼ばれたとしか思えない、あっという間の出来事だった。桜の大木と暮らすようになって、目まぐるしく変容していく様をより一層観察するようになった。レンズを通して桜が見せてくれる密かな有り様を、皆様にも目撃していただきたく、、

写真家 高木由利子

ウェブサイトより)

高木由利子(写真家)

東京生まれ。武蔵野美術大学にてグラフィックデザイン、イギリスのTrent Polytechnicにてファッションデザインを学んだ後、写真家として独自の視点から衣服や人体を通して 「人の存在」を撮り続ける。近年は自然現象の不可思議にも深い興味を持ち、「chaoscosmos」というプロジェクトにて映像を含め新たなアプローチに挑戦し続けている。撮影地は、日本を拠点に、アジア、アフリカ、南米、中近東に及ぶ。

関連イベント

トークショー

日時|3月18日(月)19:00〜 約1時間半を予定(受付開始 18:00)
会場|GYRE. FOOD(東京都渋谷区神宮前5-10-1 GYRE 4F)
参加費|1,500円(和菓子、お茶 付き)*事前予約制
*詳細はこちらをご覧ください。

展覧会概要

会場
GYRE GALLERY
(東京都渋谷区神宮前5-10-1)
会期
2024年3月1日(金) 〜4月29日(月)
問い合わせ先
TEL:0570-05-6990 ナビダイヤル(11:00〜18:00)
主催
GYRE
企画・構成
PAPALAGI STUDIO
グラフィックデザイン
長嶋りかこ・川久保美桜(village®)
ウェブサイト
https://gyre-omotesando.com/artandgallery/yurikotakagi-chaoscosmos-vol2/