中村政人とホンマタカシは既知の作品、高島陽子と守章は未知の作家、木村太陽と平川典俊は既知の作家だが今回の作品は初めて見る。たとえば、守章は守雅章と守喜章という双子のユニット名で、作品はお互いのアイデンティティを確認する私的な探求だそうだ。また平川の風景写真は、すべて俯瞰した写真なのでなにかと思ったら、スイスの自殺現場(自殺者が最後に見たであろう風景)を撮ったものだという。これらは解説書を読まなければわかりようもない。確か、昨年の都知事選で野末陳平らが「無駄遣いのハコモノ」とやり玉に挙げたのが、前回のMOTアニュアル「ひそやかなラディカリズム」を開いていた東京都現代美術館だったはず。それに対して石原慎太郎だけが理解を示していたが、さて、彼らが今回これを見たらどういう反応を示すか、ぜひ聞いてみたい。
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