さすがに美術の秋だけあって、絵画史上重要な画家を中心とした展覧会が各所で開かれている。クロード・ロラン、レンブラント、ターナーと名前を上げるだけでも期待は膨らむが、しかしこの展覧会のように、おざなりな企画、貧相な内容、最良といえる作品の数が少ない、といったものが大半なのだ。この困難な条件のなかでも、絵画の歴史をじっくりと学ぶことは不可能ではない。とにかく作品をたくさん見ることです。
作品のどれをとっても奇妙な力強さが感じられる。プリミティヴな土着性と言うのは易しい。それは、文化の他者が必然的に身に帯びるパワーなのだ。