1月1日(金)
貸しヴィデオ

正月ということで、去年見落とした映画を貸しヴィデオでまとめて見る。『キングダムIII』ラース・フォン・トリアーの制作したテレビ・ドラマの映画化第二弾。『II』と同様、紋切り型となった手法のオンパレードに大笑いしながらも、畳み掛けていくその勢いに引き込まれ次第に恐怖を覚えるようになる。『奇跡の海』に涙した観客がいたそうだが、実はコメディだったのです。この鬼才の新作『白痴』の公開が待たれる。『スターシップ トゥルーパーズ』(ポール・バーホーベン)『エイリアン4』(ジャン=ピエール・ジュネ)『タイタニック』(ジェームズ・キャメロン)、SF映画出身の三人だが、新作で自分たちの実力を遺憾なく発揮した。バーホーベンは、不毛な土地の使い方がユニークで、今回もそれをバックに巨大な昆虫を登場させて明瞭な輪郭を描き出し、ジュネは、いつもながら古く錆び付いた道具類を宇宙船内に配置して時代錯誤を演出した。キャメロンだけは、埃っぽく曇った特徴的な画面が、短い海中シーンを除いてまったくなかった。ハリウッドで成功するために控えられたのだろうか。他に、最近アート界でも注目されているジョン・ウォーターズの古い映画をいくつか(今は亡きディヴァインの怪演がたまらない)。しかし彼の映画を見ているといつの間にか眠ってしまうのは、何故か。