1月13日(水)
ニューヨークへ

ニューヨークにて映画を見る。『Steam』(Dir.Ferzan Ozpetek)と『Central Station』(Dir.Walter Salles Jr.)。前者は、トルコ風呂に魅せられたイタリア人の若者の数奇な運命。後者は、初老の女性と母を失った男の子との父親探しのロード・ムーヴィ(2月に日本でも公開)。両方とも、非西欧(トルコとブラジル)の人々の素朴で親密な感情の交流が瑞々しい。それを通して西欧モダンの疲弊した文化を乗り越えられるのではないかと思ったほどだ。映画館では、ジェネレーションX世代の若者の日常を描いた『Mary Jane's Not a Virgin Anymore』(Dir. Sarah Jacobson)も見た。アメリカの若者の生活ではリアリティ・バイトがあるかもしれないが、前の二つの映画のようにリアルなものに突き当たることはない。その他、ニール・ジョーダン、ポール・シュレーダー、テレンス・マリック、ステファン・フレアーズ、ケン・ローチ、ラリー・クラークなどの新作が目白押し。