1月16日(土)ニューヨーク |
エレン・カンター
12/5−1/22
XLザビエ・ラブールベンヌ
ロマンティックなファンタジーと恐怖を掻き立てる暴力的な攻撃性という恋愛にまつわる対立する情動を、女性の側から見据えてきたこのアーティストの新作は、テーマにぴったりの女優モニカ・ヴィッティをえて、映画の引用の織物となった。 |
ケン・プロスト
12/16−1/16
ポール・モリス・ギャラリー
ポルノ撮影現場のドキュメンタリー写真。セックス産業の裏側を記録したこのモノクロの写真シリーズは、ハードだがクールで劣情を催す類いのものではない。フェティッュ化されたポルノ産業に息抜きの隙間を見出そうとするジェフ・バートンや、ひたすら猥褻命のアラーキーとは対極にある写真。
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エレン・バーケンブリット、
アレッサンドロ・ペッソーリ
1/14−2/13
アントン・カーン・ギャラリー
今回見たなかでは、ドゥローイング作品でもっともエキサイティングなショウ。とくにバーケンブリットの鼻のとんがった女性(自画像)を描いたドゥローイングは、漫画のもつ通俗性と極度の傷つきやすさを同居させて私を魅惑する。
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12 to 12
トライベッカにあるオルタナティヴのギャラリー「アート・イン・ジェネラル」で、昼の12時から夜の12時までフィルムとヴィデオのマラソン上映会があったので、夕方から見にいった。プログラムの内容はともかく、こうした企画を簡単に実現できることにニューヨークのアート界の底力を感じる。このイヴェントの目玉は、ギィ・ドゥボールの映画『スペクタクル社会』だった。感想としては、この映画が作られた70年代にはまだ真実とスペクタクルを区別できたが、現在それらを区別することはできないのではないか、ということ。 |