イネス・ヴァン・ラムスウェールデ
12/5−1/23
マシュー・マークス・ギャラリー
“Me”とタイトルされた今回の個展では、アーティストの分身らしき子供から老人までのポートレイトを展示。しかしたんなるポートレイトではない。シンディ・シャーマンのように汚いものを見せつけるのではなく、美しいが同時に死体のように醜いものを提示してアンビヴァレントな感情の交錯する世界へと鑑賞者を引き込む。それがスペクタクルにならないのは、彼女の表現が世紀末のデカダンスに深く浸っているからである。ニューヨークのギャラリーで見たなかで、もっとも衝撃的な展覧会だった。
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