1月20日(水)ニューヨーク
ルイス・ウィックス・ハイン
 2/18−2/28
 ブルックリン美術館

晩年の30年代の写真を展示。今世紀始めの工場や工事現場を撮ったことで有名なこの写真家の作品は、機械よりも人間に焦点を当てていたことがよく理解される展覧会だった。同時に開催されていたペルシャ絵画(1785-1925)の展覧会も素晴らしかった。

 

ルイス・ウィックス・ハイン ルイス・ウィックス・ハイン

 展覧会パンフレット

 

レイナー・ガナール
 1/9−1/30
 マックス・プロテッチュ

情報化社会のもとでの言語と知識のコミュニケーションをテーマとしてきたガナールが、ニューヨークで開いた二回目の個展。そのスタイルはハイパーコンセプチュアリズムといってよいが、コンセプトのメタレベルへと向かう彼の野心的な姿勢に注目したい。

 

レイナー・ガナール

写真はレイナー・ガナール本人

 

イネス・ヴァン・ラムスウェールデ
 12/5−1/23
 マシュー・マークス・ギャラリー

“Me”とタイトルされた今回の個展では、アーティストの分身らしき子供から老人までのポートレイトを展示。しかしたんなるポートレイトではない。シンディ・シャーマンのように汚いものを見せつけるのではなく、美しいが同時に死体のように醜いものを提示してアンビヴァレントな感情の交錯する世界へと鑑賞者を引き込む。それがスペクタクルにならないのは、彼女の表現が世紀末のデカダンスに深く浸っているからである。ニューヨークのギャラリーで見たなかで、もっとも衝撃的な展覧会だった。

 

イネス・ヴァン・ラムスウェールデ