2月11日
映画『必殺! 三味線屋勇次』
 (配給/松竹)

新宿で時間が余っていたので、つい、ふらふらと「必殺!」を見てしまう。マニア、というほどではないが、僕はけっこう「必殺」ファンである。映画はほとんど見ている。前作で中村主水が死んでしまったので、新作ではテレビシリーズで人気の高かっ中条きよし扮する三味線屋勇次が主人公。なんで「必殺!」が好きかと自問自答すれば、時代劇でありながら、文法的にまったく別ものになっているところがいいんでしょうね。たとえば、依頼人からもらった小判が元締めから次々と仕事人の手を渡り、いわばマネー・ロンダリングされていく。
時代劇特有のどろどろした個人的怨恨の文法から、殺しのプロフェッションだけを強調したいがために編み出された、代理人制度というアイデアですよね。さて、映画の中味は、藤田まことがいないとやっぱり「必殺!」にならないのか、中村主水の役ではなく、足を洗った関西の元・仕事人の役で出ています。しかし、こんなのありか?
脚本・監督は中程度。でも、天海祐希がかわいかったから、許す。