5月1日(土)
村上隆 & Hiropon Show 
Parco G.W. Art Project:
 不思議の国のDOB君
 パルコギャラリーほか
 4/23-5/9

不思議の国のDOB君

 いまや村上以上に日本の現代美術の将来を案じている作家はいないのでは? 筆者からみると、かれの戦略は、サブ・カルチャーのヴィジュアル表現ですこし知名度があるものを、いわば「村上的なもの」(かれ自身のことばでいえば「PO+KU」なもの)としてすくいあげ、それによって現代美術の外延を拡張し、さらに現代美術をポピュラーなものにしよう、というものだ。ところが村上本人の「現代美術」は、「村上的なもの」、たとえばチャッピーや町野変丸に、知名度の点でついに勝てない。現代美術がポピュラリティを得るためなら、自ら道化になることも辞さない村上に、なんだか悲痛なものを感じる。

西山美なコ
 4/17-5/29
 ギャラリー・シマダ

 少女マンガのシミュレーションで知られる西山も、ここへきてもうひとひねりを加えた作風に転じた。ひどく繊細につくられた白い冠が数点、それぞれ同じく白い台座の上に載せて展示してある。やはりどこか少女マンガっぽいその冠は、砂糖でできている。西山のこの軌道修正は、高柳恵里のそれに通じるものがあるだろう。彼女たちに、それなりのキャリアを積んだということ以外のなにかが、共通してあったということなのだろうか?