5月7日(金)
田中信太郎
 4/24-5/15
 ギャラリーαM 

田中信太郎

 もう大ヴェテランの田中だが、今回の展示はすっきりとして、妙ないいかただがとても若々しい。筆者がはじめてみたころ(1990年代初め)のかれの作品は、油がのりすぎているというか、「うまい」けれどもそこがまたいやらしくもあった。今回、かれは放っておいても「うまい」かたちを作り出してしまう自分のキャリアを、いったんカッコに入れようとしているようだ。色を赤で統一したり、ポジ/ネガの関係にある形態を、つまり単純な規則性を率直に取り入れているのは、そのあらわれではないかとおもう。(図版は実際に展示されていた作品とは別のもの)



「波のDelta」1992-93 
2520×3255×160 
アクリルペイント/繊維強化プラスチック
撮影:安斎重男