展覧会タイトル、そして入り口に掲げられたボイスの「ご託宣」だけが、「女性的なもの」の重要性を訴えるが、展示された作品はあまりそれには囚われてはいない。その好例はカーリン・サンダーの「ホッチキス・ペインティング」。ドイツの作家の層の厚さを思い知らされる。残念なのは、これほどおもしろい展覧会なのに日本の美術館サイドの考えがまったく見えてこないこと。まるで場所と翻訳者を貸しただけみたい。