――そんなに無理をして身体を壊しませんか?
今回の横浜での作品を作っている時も仕事がものすごく重なっていて(異常でした)かなり自分でも無理をしてつくっているなーっと思っていたのですが、やっぱり作品を作り終え日本に送った次の日に急に立てなくなって、トイレに行くと血尿がでてきてそのまま救急病院にいって抗生物質のお薬を1週間のんで治しました。もう身体はやめてくれ!っと言わんばかりです。
――だんだんと肉体を使うパフォーマンスを行なうのが辛くなってきたらどうするのでしょうか?
最初に辛いと思ったらやめると思うのですが、制作中は無我夢中で痛みがわからないので、少しの痛みは筋肉痛ぐらいにしか思っていなくて……困ったものです。
――普段の生活とパフォーマンスでは、かなり違うイメージの人物に思えるのですが、それは、役者とかスポーツマンのように本番の力みたいなものが作用しているのでしょうか??
そうだと思います。それに普段からあれだけ力が入って生活していると疲れます。
――では、普段はどういう人でしょう?
私気が強く、わがままです。
――ヨーロッパと日本の美術界の違いは?
日本はインディペンデント・キューレターの数が少なすぎる。日本にもっと若いキューレターが増えれば若い作家にとっても展覧会などがやりやすくなるのに……と思います。作家もキューレターも展覧会をするうえで立場的には同じようなものですから。
――ヨーロッパのほうが活気がある? 楽しい? リアクションを感じる?
いまインターネットなどで世界の情報が飛び交っていて世界の距離感が狭まっていますよね。いろいろと離散していてどこに活気があって楽しいかは言いにくくなっていますが、ヨーロッパが持つ現代美術の基盤は日本とは違いすぎるような感じがします。
――このままドイツに在住していきますか?
ベルリンは今なお移動している現在進行形の街です。この街の魅力に捕われている私にとっては今は離れがたい街ですが、このままずーっとというのは自分でもまだわからないです。
――今後の予定をお知らせください。
来年から、シュトゥットガルトにあるアーティストレジデンスであるアカデミー・ソリチュードに1年間奨学金をもらえることが決まったので、ゆっくりとベルリンとソリチュードを行き来しながら作品を作っていきたいです。2003年にクンストフォーアインツ(ウルム市美術館)で個展・巡回展をします。はじめての美術館での個展・巡回展なのでそれに力をいれて2002年を過ごしていこうと考えています。
――これからも忙しそうですね。これから寒くなるし、身体に気をつけて。お肌に悪いから、あまり無理は禁物よ。
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