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Focus アート・シーン2001
横浜トリエンナーレ
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塩田千春
 


塩田千春
塩田千春
「after that」2000(左)、「after that」1999(右)


建畠晢塩田千春さんは今ベルリンに住んでいる若い女性作家です。彼女自身の問題意識は、自分の身体と作品とそれを含む環境を広義的に捉えていこうというもので、それは、僕自身のジャッジメントとシンクロするところがあります。1999年ワイマールに出品した作品は、長さ15mくらいの女性のドレスを天井から吊してあり、それが泥にまみれているのをシャワーの水で部分的に常に洗い流していて、その水が循環しているという作品です。女性のドレスが泥にまみれていてそれを洗い流すというと、フェミニズム的メッセージがあると思われるかもしれないですが、身体を直接見据える眼差しが非常に強くて、彼女自身「フェミニズムについては全く興味がない」と語っていました。長谷川さんは、他者性とかアナザー・ワールドが重ねられクロスしているとすれば、僕自身の問題意識は、むしろ内なる他者というか、古い言葉ですけど、インナー・アザーズを考えている。塩田さんも自分自身の肉体を客体視するなかで、原初的に与えられた身体と文化的な身体の分裂性みたいなところから、環境や、文化的・経済的・政治的な自分自身を規定する衣服につながる。そういう総合的な視点が含まれていると思います。[建畠晢]





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