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九州 川浪千鶴
event5th北九州ビエンナーレ――繰り返しと連続性の美学

アーティスト:桑山忠明、江上計太、世良京子、祐成政徳

会場:北九州市立美術館(常設展示室及びアネックス3階全体)
  北九州市戸畑区西鞘ヶ谷21-1

  会期:1999年2月27日〜3月28日
  開館:9:30〜17:30(入館は17:00まで)、休館日=毎週月曜日
  入場料:未定
  問い合わせ先:北九州市立美術館 093-882-7777

現代日本美術のさまざまな動向を一つのテーマのもとに紹介する隔年開催のグループ展。最終回を迎えた今回のテーマは抽象美術の「繰り返しと連続性」。再現的な美術が、写真やヴィデオなどのメディアを味方に息を吹き返している現在、20世紀をリードしてきた抽象の果たす役割をいま一度検証し、21世紀における美術の可能性を探るというのが、その趣旨である。特に幾何学的な抽象に焦点をあて、幾何学の持つ意味と力を4人の作家を通じて確認する。桑山忠明(1932- )はアルミニウムを、祐成政徳(1960- )は真鍮を素材にした作品のインスタレーションを予定。福岡在住の江上計太(1952- )はカラフルなレリーフや立体作品を、同じく福岡在住の世良京子(1957- )はモノクロームの絵画を展示予定。磯崎新の空間で繰り広げられる同館の現代美術展は規模が大きくかつ美しい展示構成が特徴だが、今回は常設展示室とスケールダウンした分、スペースを異にした新たな展開が見られるかどうかがポイント。ステラやジャッドらのすばらしい展覧会を過去に手がけた黒岩恭介氏の手腕に期待したい。
  作家・作品:21カ国・地域56作家、約150点(ほか滞在制作約50点)
  参加国・地域:バングラデシュ、ブルネイ、中国、インド、インドネシア、韓国、ラオス、
         マレーシア、モンゴル、ミャンマー、ネパール、パキスタン、フィリピン、
         シンガポール、スリランカ、タイ、ベトナム、日本、ブータン、カンボジア、台湾
  会場:福岡アジア美術館
   福岡市博多区下川端町3-1 博多リバレイン7,8F
  会期:1999年3月6日〜6月6日
  開館:10:00〜20:00(入館は19:30まで)、休館日=毎週水曜日(ただし5月5日は開館、
     翌日6日が休館)
  入場料:一般800円(500円)、高大生500円(300円)、小中生300円
   (200円) *( )内は前売り料金
  問い合わせ先:福岡アジア美術館 学芸課 092-263-1100(1月4日から)

椿昇「PollyZeus」アジア美術の先駆者であり、長年地道なフィールドワークをアジア各地で続けるなかから、流行に左右されないコミュニケーション回路をもつにいたった福岡市美術館。その姉妹館としてついにアジア美術館が開館します!(1月号の『美術手帖』にも大特集あり。1月1日午後4:30〜5:45にBS2でもアジア美術館特集番組が放映された)。その開館記念展は、これまで5年に一度開催されてきたアジア美術展をパワーアップし、3年に一度開催のアジア現代美術の祭典として開催される。アジアの最新美術動向を紹介する一方で、作家と市民との交流事業(公開制作、ワークショップ、パフォーマンス、トーク、シンポジウム等)も多種多彩に行なわれる予定(24作家が参加予定)。
スダルシャン・シェッティこの交流事業は福岡アジア美術館の恒常的な活動の柱のひとつで、作家の活動を直接見て、触れて、参加することで、より積極的にアジアの美術や文化を理解する機会を提供しようとするもの。今回は「コミュニケーション〜希望への回路」というテーマのもと、他文化・社会に生きる人々との間に創造的なコミュニケーション回路を切り開くことで、アジアの人々どうし、またアジアの人々とそれ以外の人々との相互の状況への共感と理解を生みだし、共生への希望を与える作品に焦点をあてている。
チェ・ジョンホァ「柱は柱」「参加・交流」「共同体」「都市」「メディア」がキーワード。日本の参加作家は、岩井成昭、小澤剛、田甫律子。この春のお出かけは、まず福岡へ!



  美術館周辺に設置された作品(上から):
  ・椿昇「PollyZeus」
  ・スダルシャン・シェッティ
  ・チェ・ジョンホァ「柱は柱」


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