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小海町高原美術館
高原の避暑地でハイビジョン手づくりソフトを堪能する
 
小海町高原美術館
松原湖高原にブリッカー賞受賞の建築家・安藤忠雄氏デザインの小海町高原美術館がある。館内にはスーパーハイビジョン(走査線のないノー・インタレース方式のハイビジョン)を設置したハイビジョンギャラリーがあり、手づくりソフトを中心にハイビジョンが活躍する美術館である。企画展示毎に上映される解説ソフトは、学芸員による手づくり。作者が存命中であれば、取材に行き、作者自らに作品を解説してもらっている。作者の肉声を聞くこができる驚きは、作品の感銘を深め、興味をわかせる。学芸員による手づくりハイビジョンソフトの『赤い地平線〜栗林今朝男の願い〜』は第6回全国手づくりフェスタ98で岐阜県知事賞を受賞している。
一般者を対象とした年一回の手づくり制作のワークショップも大変好評だ。東京をはじめ、近県からの参加者が多い。参加者にリピーターが多いのは、作った作品を、その後館を訪れたときに135インチのスクリーンに上映してもらえるサービス付きのせいだろうか。
この館のもう一つの目玉は、第二次世界大戦以前に日本で発売されたクラッシックを中心に集められた1,100枚のSPレコードの収蔵である。このSPレコード・コレクションは小海町松原湖高原別荘地に住む方から寄贈されたものである。ハイビジョン映像と昔懐かしいSPレコードの音色、一見の価値があろうというものだ。  町民をもしっかり捉えているこの館は、見るというより、参加するという感覚で立ち寄りたい美術館。懸命にハイビジョン活動を続ける学芸員は2人。頭数だけがモノを、人を動かすのではないことを証明している。

[問い合わせ先]
長野県南佐久郡小海町豊里5918-2 TEL.0267-93-2133
http://www.avis.ne.jp/~komuse/

Service
  宇宙美術館
アートとテクノロジーの心地よい交歓


宇宙美術館

宇宙美術館

天体観測には絶好の伊豆高原に宇宙の超細密画の創始で第一人者である岩崎一彰氏の私設美術館「宇宙美術館」がある。館長はもちろん岩崎一彰本人。館は彼の作品(原画)の展示を中心に構成されており、作品の横には虫メガネが添え付けてある。これは岩崎氏の作品に対する自信の表れであろう。屋上には天文台があり、ここにも岩崎氏自身が設計した61cmKIC式望遠鏡が設置されているほか、ハイビジョンカメラが備え付けてある。そのハイビジョンカメラのとらえた星の映像は、地下にあるハイビジョンカフェ「サロン・ド・カズ」のハイビジョンモニターに常時流れ、お茶を飲みながら見ることができる。ハイビジョン対応の100インチのスクリーンも常設されており、星にまつわるいろいろなソフトの上映会も行われている。  この宇宙美術館はイベントが充実している。「スターウォッチング(毎日)」「天文台見学会(毎日)」「星座教室」「流星観測会」「彗星観測会」などなど、そのタイトルを聞くだけでわくわくする。天文に関する体験学習の類はもちろんのこと、声楽家でもある岩崎館長ならではの「童謡・唱歌の会」をはじめ、館長の独唱会「星の話と歌」やジャズピアノニストを呼んでのサロンコンサートなど、音楽館の様相もあり、楽しみながら学ぶ星空教室のようなものだ。岩崎館長と一緒に宇宙の絵を描く体験学習会(第一日曜)だってある。リピーターが続々ということでもうなずける。  ぜひ、ご賞味いただきたいのが地下のミュージアムショップで売っているNASAの宇宙食。宇宙飛行士たちはこれをあの宇宙で食べたのかと思うと感慨深い。ともあれ宇宙美術館は2000年7月7日で開館2周年を迎えた。

静岡県伊東市大室高原9-638 TEL.0557-51-9600
http://www.wbs.ne.jp/bt/kisag/

Hardware
  高品位、'低価格'のデジタルHDプレーヤーが登場
三洋電機株式会社 HVD-M100


三洋電機株式会社 HVD-M100

現在、美術館・博物館などの社会教育施設に導入されているハイビジョン静止画システムは、ハイビジョン普及支援センター(現、新映像産業推進センター)が'92年に策定したガイドラインに基づいたもので、全国に約220システムが稼動している。大画面、高品位映像が特徴で、忘れられがちであるがデジタルHDシステムの嚆矢でもある。一方、ハイビジョン動画は、制作費が通常のビデオ制作の3〜5倍という当初(90年代初期)の事情もあり、美術館・博物館などにおける映像システムとしての普及は静止画システムに遅れをとった感がある。プレーヤーとしても高価格で、低価格なMUSE LDやHDビデオプレーヤーの登場も期待されたほどの決定打にはならなかった。 今回発売されたHDプレーヤーは、静止画システムやベースバンドHD LDにいち早く取組んできた三洋電機の動画映像をシステム導入するうえでの新しい提案として、興味深い。長時間(ハードディスクに記録、最大150分)のデジタル再生(MPEG2)に加えて、種々な運用サポート機能も用意されている。とりわけ注目されるのは220万円の価格設定である。DVDプレーヤーがゲーム機に組込まれる時代に、この価格が安いのか?の意見もあるが、大画面での鑑賞にも堪え得る高品位なデジタルHD映像の再生装置としては、やはり歓迎すべき価格であることは否めない。現状、約400〜500万円のHD静止画再生装置。静止画システムでオーサリングされたソフトの運用もできる低価格なプレーヤーの登場は、リニューアル期を迎えつつある全国のハイビジョンギャラリーにも一石を投じるのではないか…、と予感させる新製品であると評価したい。

三洋電機AVシステム株式会社 TEL.03-5803-3546
http://www.sanyo.co.jp/SAV/item/hvd-m100.html

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