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ハイビジョンで何をするか
運用担当者による「ざっくばらんの会」
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先ごろ、東京の(株)NHKエンタープライズ21のハイビジョンソフト連絡会が、ハイビジョン担当者間の情報交換を目的に「ざっくばらんの会」を開いた。開催の運びになったきっかけは、ハイビジョンに関するアンケート調査を行なった際に、ハイビジョン担当者から「ざっくばらんに話せる場が欲しい」という要望が多数寄せられたためである。担当者間の横のつながりは希薄で、孤立感を抱いている人が多い。
会のテーマは「ハイビジョン運用を成功させるためにできること」。まず、ハイビジョン運用を成功させた施設として、小海町高原美術館と 熊本県立美術館 のハイビジョン担当者お二人に、成功までの道のりをざっくばらんに話していただいた。どちらもたった一人でハイビジョンを運用しているといっても過言ではない環境で、「ハイビジョンだから何をするのではなく、何をするかを一番に考え、ハイビジョンをひとつの道具として使う」ことを実行してきたと言う。そして、何よりも大切なことは熱意と行動力であることを、お二人から感じた。また、ハイビジョンのもうひとつのメリットは、デジタルメディアであること。そのため、やり直しが効き失敗がない。恐れずおおいに使えるということだ。
現在、施設が共通に抱える問題は、やはり、ハイビジョンに費やせる予算が非常に少ないということ。厳しい環境の中で、いかにハイビジョンを運用していくか。その辺のアイデアもざっくばらんに意見が交換された。ざっくばらんな話だけに、その意見を公の場で披露することはできないが、このような場を持つことの大切さを、参加者一同改めて実感したことはいうまでもない。今後もハイビジョンソフト連絡会ではこのような会を開いていきたいと考えているようだ。 |
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美術作品鑑賞用ビューアの活用
女子美術大学
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『女子美』の前身、女子美術学校が誕生したのが1900年。以来、女子美は女性のための芸術学校として、時代の先駆的役割を果たしてきた。去る10月20日、東京国際フォーラムで100周年記念式典にがとりおこなわれたが、同時にネット上でオープンしたのが「女子美デジタルアーカイブ」サイトである。ここで公開されるのは同大美術資料館が収蔵する美術作品や工芸資料で、100年に及ぶ歴史の中から、毎年買い上げる卒業制作作品や、女子美が輩出した錚々たる女流アーティストたちの作品が含まれている。なかでも圧巻なのは、インドネシアの染色「イカット」の貴重なコレクション。伝統に裏打ちされた精緻な織布は、現代のデザイン感覚で見ても大いにインスパイアされるだろう。画像フォーマットは、部分をクリアに拡大することが可能なFlashPixが採用されているので、織りのディテールまでつぶさに見ることができる。解像度の限られたPCモニタ上で、作品のマチエールまで丹念に表出するこうしたアプリケーションビューアは、ネット越しに作品を鑑賞するうえで、今後ひとつのデファクトになるかもしれない。開発元であるLive Picture社のホームページでは、山梨県立美術館をはじめとする、他の先進的ミュージアムの事例がリンクされている。
こうしたデジタルアーカイブが広く社会に供覧されることで、作品に対する理解を深め、広げる機会は確実に増える。大学や美術館・博物館と社会をつなぐ窓口として発信側のメリットも大きい。女子美では今後も収蔵作品のデジタル化を進め、来年3月までには1,000点規模のアーカイブをネットで公開の予定という。こうしたムーブメントが、ミュージアムの活動そのものを活性化するとともに、ネットに新しい「文化」を流入していくことを期待したい。
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