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名画からポストカードまでそのまま出力
印刷用ベスト画像をダウンロードできるEPSONPRINT

 
モネ
ダウンロードして出力できる「デザイン絵画」ポストカード
Produced by DNP Archives.Com / Original Photo (C) Photo RMN


2000年12月1日にセイコーエプソンが運営するコンテンツモールEPSONPRINTがオープンした。エプソンのプリンタユーザがダウンロードできるサイトで(閲覧は自由)、ユーザは専用のダウンロード兼出力アプリケーションで画像をダウンロードし出力を行う。このアプリケーションがダウンロード時にプリンタがエプソン製品であるかどうかのチェックを行う仕組みになっている。
ユーザは、ハガキサイズからB0サイズまでの出力サイズを選択することができ、A3までは手元のプリンタで、それ以上はエプソンの出力センターで出力が可能になっている。気に入った画像を手元のプリンタから出力したり、大判サイズで手に入れることができるオンデマンド・サービスである。

モナリザ
「デザイン絵画」ポストカード
Produced by DNP Archives.Com
Original Photo (C) Photo RMN


中でも注目を集めているのが「アートコンテンツショップ MONNA LISA」。オルセー美術館やルーヴル美術館が所蔵するルノワールやモネ、レオナルド・ダ・ヴィンチなどの泰西名画の画像を扱っている。これらの絵画がをダウンロードした後、手元のプリンタで出力できる訳だ。アイドル画像やイラスト、キャラクター商品が多くを占めるモールの中で、正に異色の存在である。
アートショップMONNA LISAでは、そのままの名画だけでなく、名画をデザインしたハガキ専用の「デザイン絵画」を販売している。絵画から抜け出した女性や描かれているモチーフを使ったデザインなど名画をもとにしながらもこれまでの名画のイメージを全く一新させるようなデザイン絵画に生まれ変わっている。

さて、インターネット上で画像を取り扱う際、常にネックになるのが版権の問題である。アートショップMONNA LISAではデザイン絵画を含めすべての画像は、版権処理がされており、当然のことながらセキュリティ処理もほどこされている。1度ダウンロードした画像には電子透かしが埋め込んであり、色再現をチェックするためのテスト出力と本番出力の2回のみ。出力終了後はダウンロードしたデータは使用不可能になる。

プリンタメーカーが次々と新しい機種を発売する中で、こうしたコンテンツモールは益々日常化していくであろうと予想される。美術館や博物館が所蔵品の複製品を展開する場はこれまで併設のミュージアムショップに限られていた。しかし、版権やセキュリティの問題をクリアすればネット上ですぐにでもオンデマンド型のショップ運営が可能になる時代である。新たなサービスの場、新たな教育普及の機会、そして新たな収入源としていかに活用してゆくか。美術館博物館の新たな価値判断がこれからの行方を左右すると思われる。

【江口 薫】


コンテンツモール EPSONPRINT http://www.epsonprint.ne.jp/
copyright (c) Dai Nippon Printing Co., Ltd. 2001