2階展示室
「ヒゲとカミソリの歴史」コーナー
写真提供:フェザーミュージアム
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2000年9月に企業博物館「カミソリ文化伝承館 フェザーミュージアム」が岐阜県関市日ノ出町に正式オープンした。フェザー安全剃刀(株)が関工場の新築に伴い、同敷地内に建設した地上2階建てのミュージアム。今年、創立70年の歴史を持つ同社が収集していたカミソリに関する貴重な文化遺産4,500点あまりを展示、無料で一般公開している。
2Fの展示室の入口に、宙に浮き、しかも向こうが見える、透けた映像「ビルボードビジョン」が注目を浴びている。来館者は皆、右に左に前に後ろに、宙に浮く映像を一周する。
しかしなぜ、来館者を歓迎するメッセージを1Fの入口ではなく、2Fの展示室の入口に設置しているのだろうか。「みんな、ビルボードビジョンの前に立ち止まって動かないんです。そこに人溜まりができてしまうんですね」と館事務局の人が教えてくれた。
種を明かせば、天井から2本のワイヤーで吊られた40インチのウインドウスクリーンに、天吊りされたプロジェクターから映像を投映しているだけの簡単なシステム。文字はその場でパソコンに打ち込むだけ。
この他にも映像を上手く使って、来館者の興味をそらさない工夫が随所にされている。中でも一番人気なのが体験スペース「ヒゲとカミソリの科学」に置かれている「ヒゲスコープ」。自分のヒゲや肌の状態をスコープで拡大、モニターに映し出される。来館者のはしゃぐ声が耐えない。「ヒゲを剃ってみよう」というビデオも人気が高い。歴史上のヒゲ面の人物からヒゲを剃ってしまおうというのだ。笑える。自分の顔をパソコンに取り込んで、いろいろな形のヒゲをつけて大変身できる「ヒゲビジョンコーナー」は、変身した顔をプリントアウトして記念に持って帰ることができる。
展示の充実は言うまでもない。カミソリから見る生活文化の遍歴は奥深く、とにかくおもしろい。 |