昨年5月にオープンした保谷市の「こもれびホール」で、「体感!現代美術講座+ワークショップ」が開かれている。7月から8月中旬までのほぼ毎週土曜日、計5回にわたって5人の作家や美術ジャーナリストが講座を行い、その後8月25日から毎週3回、ワークショップを開く。主催は保谷市文化・スポーツ振興財団で、コマンドNの関ひろ子氏が企画・人選をコーディネート。 プログラムは、美術ジャーナリストの村田真(あ、ぼくだ)による、古代ギリシャから今年のヴェネツィア・ビエンナーレまでの美術の流れを大雑把かつ短絡的に紹介する現代美術入門講座を皮切りに、須田悦弘、大岩オスカール幸男、駒形克哉、中ザワヒデキが、それぞれスライドや自作の小品を使って創作の意図を開陳。また、駒形克哉によるワークショップは、初日に近くの公園に行って写生したり写真を撮り、それをもとにひとりひとり独自の作品をつくるというもの。9月下旬には、その成果をこもれびホール1階エントランスホールにて展示するという。 こもれびホールでは、これまで演劇関係のワークショップやデッサン教室などはやってきたが、現代美術に関する企画は初めて。応募要項によれば、「難解といわれている現代美術を楽しく体感する講座です」。なるほど、わかりやすい。担当職員の大島春樹氏は、「こもれびホールができてからまだ1年ちょっとしかたってないので、少しでも知名度を高めたいし、ここに来たらなにかやってるというイメージを根づかせたい」と語る。ちなみに大島氏は以前、視覚デザイン研究所という美術関連の出版社に勤めていたことがあり、そのツテを頼って関氏に企画をお願いしたという。蛇足だが、この視覚デザイン研究所では8年前に、今回の講座名を彷彿とさせる『体験!現代美術』という本を出版。その編集協力に村田真(あ、ぼくだ)の名も連なっている。 講座には18歳の学生から65歳まで計42人の応募があり、10代と20代が過半数の26人、そして域外(保谷市とその周辺)からも、千葉県や神奈川県在住者を含めて23人の申し込みがあった。こうした現代美術講座は数が少ないのか、市民のためにも作家のためにももっと各地で開かれてしかるべきだろう。
講座(6pm〜8pm)
7/10 村田真
7/24 須田悦弘
7/31 大岩オスカール幸男
8/7 駒形克哉
8/14 中ザワヒデキ
ワークショップ(6:30pm〜8:30pm)
8/25、9/1、9/8 駒形克哉
(8/10まで募集中)
9/22-24 展示(9am〜8pm) |