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2009年04月15日号のバックナンバー

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フォーカス

東京のアートフェアはどこへいく?

[2009年04月15日号(住吉智恵)]

 世界的な経済不安のなか、東京で開催された大小2つのアートフェア。個々のギャラリーに話を聞いたわけではないし、売上の詳細も知らないので、これは個人的な印象に過ぎない。いずれの会場にも「どうなのいったいアートの行方は?」というシリアスさが隅々まで満ちていた。筆者自身もこんなご時勢に、今春から無名の新人を本格的にプロデュースしていく覚悟を決めたばかりで、他人事ではない立場。いつになく真剣に観てしまった。

キュレーターズノート

Port B「サンシャイン63」──地肌と声の行路

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[2009年04月15日号(阿部一直)]

 2月末から3月にかけて、池袋と西巣鴨で集中的に行なわれた演劇フェス「フェスティバル/トーキョー」において、パフォーマンスユニットPort B(演出:高山明)による舞台「雲。家。」(エルフリーデ・イェリネク原作の戯曲テキストの日本語翻訳上演)とパフォーマンス「サンシャイン63」が同時に再演された。ここでは、非常に特殊な上演方法をとる「サンシャイン63」を中心にレポートしてみたい。

混浴温泉世界 別府現代芸術フェスティバル2009/井上雄彦──最後のマンガ展 重版[熊本版]/天草在郷アンデパンダン展

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[2009年04月15日号(坂本顕子)]

 別府〜熊本〜天草、東から西へと九州を横断していくルートには、新幹線に象徴されるスピードや効率、経済優先の移動とは異なる、車窓や旅情を楽しみ、昔ながらの人との触れ合いを慈しむ、人間的な時間が今も流れている。この春、九州のアートの現在を追って東西に移動した距離は約400キロ。そこで見えてきたのは、都市との絶対的な距離が生む、土臭く、濃密な人とアートのつながりだった。

アート・アーカイブ探求

池田学《再生》──ペン画が編み出す自然と文明の神話「吉川利行」

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[2009年04月15日号(影山幸一)]

展示の現場

音響による空間構成──池田亮司「+/−[the infinite between 0 and 1]」展

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[2009年04月15日号(金子智太郎)]

アーティストやアートを裏側でサポートして、展示現場で活躍する人々を紹介してきた「展示の現場」シリーズの番外編として、今回は音響を取り上げる。近年、美術館やギャラリーで音を扱う作品、いわゆるサウンド・アートに出会う機会も増えている。しかし、展示施工や照明と異なり、ほとんどの美術館やギャラリーにはそもそも音響設備が乏しく、アーティスト自身が一から構成することが多いのが現状である。そのため、音響設営と具現化される個々の作品のあいだには強い結びつきがある。  東京都現代美術館で4月2日から6月21日まで開催される池田亮司「+/−[the infinite between 0 and 1]」展は、同美術館の歴史のなかでもっとも音響を重視した個展となったと言ってよいだろう。池田は1ピクセルの光、純粋なサイン波の構成を通じて、「データ」「無限」「崇高なもの」といった感覚不可能なものに接近しようとする。では、特に音響の施工は作品にどのような効果をもたらしているのだろうか。チーフキュレーターとして展示に深く関わった長谷川祐子氏に話を伺った。

artscapeレビュー

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