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アフリカ諸国の博物館の理念と教育活動 |
(1) アフリカ大陸における博物館の歴史 アフリカ諸国では、我が国同様1970年代以降多くの博物館が建設されてきた。西洋近代の産物である博物館を、我が国では無批判に受け入れてきたが、西欧の植民地として屈辱的な歴史を持つアフリカ諸国は、どのように受け留め、どう発展させているのだろうか?こうした疑問に応えてくれる資料を、前回の発表者である河野哲郎氏がICOM大会から持ち帰ってくれた。そこで、これから数回に亘ってアフリカの博物館の理念と教育活動について紹介してみたい。それに先立ち今回は、アフリカ大陸における博物館の歴史の概略を記すことにする。 |
(2)女性教育における博物館の役割 アフリカ社会では、女性が学校教育を受けるのは、当初から困難だった。学校教育が導入されても、両親は自分の娘を学校に通わせることを躊躇した。女の子は畑や家庭で働いてきたからだ。女の子はまた、早く結婚して両親の元を離れてしまうので、居候ともみなされていた。1960年代は、ガーナでは、15才の少女の1/3しか学校へ通っていなかったのに対し、15才の少年の半数が学校に通っていた。他のアフリカ諸国では、状況は一層劣悪だった。 |
(3)モロッコの博物館が直面している問題 現在モロッコの博物館が直面している問題の一つは、どうすれば観光事業の振興と、急増する地域住民へのサービスへの要請を両立させることができるか、ということである。 [佐藤厚子] |
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