定義が明確でない部分もあるが、広義では第二次世界大戦以降の他のジャンルに括ることのできないダンスの総称。狭義では1980年以降のヌーヴェル・ダンス以降のフランスのダンスを指す。両者は、それまでのバレエやダンスに対して伝統に囚われない発想で作られている点では一致している。前者の場合には、M・ベジャールやR・プティまでを含み、後者の場合はJ=C・ガロッタ、M・マラン、A・プレルジョカージュ、K・サポルタ、P・ドゥクフレらが含まれる。今日では、ヌーヴェル・ダンス、ダンス・コンテンポレーヌといった言葉で後者だけを指す場合が多い。その場合ドイツ表現主義、アメリカのモダン・ダンス、日本の舞踏などさまざまな影響を受けてフランスで成長してきたダンスの総称となる。これがフランスで力をもつに至った背景には、政府が資金的援助を積極的に行なった結果、若い振付家が発表の場を恒常的に得、安定した地位を保ちながら仕事に専念できるという環境の整備が大きい。特筆すべき独自の特徴はないが、さまざまな要素のミキシングがかろうじて特徴と言えるかもしれない。
(芳賀直子)
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