東京・立川市の立川駅北口で進められた第一種市街地再開発事業、およびその一環として行なわれたパブリック・アート事業の総称。同地区はもともと米軍基地の所在地であったが、その返還を受けた立川市は、周辺地域も含めた再開発を住宅・都市整備公団に委託、1982年4月に事業採択されて以来、12年の歳月を経て1994年に竣工した。約5.9haの敷地内には、オフィス、ホテル、デパート、映画館、図書館など11のインテリジェントビルが建設されたが、その合間を縫うように、総数109点のパブリック・アートが設置されている。このアート・プロジェクトはアートフロント・ギャラリーの北川フラムがアート・プランナーを務め、出品作家・作品の選択・交渉にあたり、同プロジェクトに参加したアーティストは総計36カ国、92人に及んだ。立川市の市是は「文化とやさしさ」であり、アート計画もこの市是に最大限配慮したという。なお、この都市再開発は、1994年度の日本都市計画学会設計計画賞を受賞するなど、都市計画の方面からも高い評価を受けたが、竣工当初の反響も今は沈静化し、立川市民の反応をはじめとした追跡報道が期待される。なお、同プロジェクトの詳細な記録集として『都市・パブリックアートの新世紀――ファーレ立川アートプロジェクト』(現代企画室、1995)が刊行されている。
(暮沢剛巳)
関連URL
●立川市 http://www.m-net.ne.jp/~tachikawa/
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