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絵画の死 The Death of Painting


The Death of Painting 近現代の美術史のなかで、絵画はいったい何度「死んだ」だろう。例えば写真の発明が、あるいはマルセル・デュシャンが、そしてミニマル・アートからコンセプチュアル・アートにいたる流れが、絵画を死に至らしめた、とされる。ここにマネやポロックを加えることもできるだろう。またイヴ・アラン=ボワ(「絵画――その葬送の務め」『Painting as Model』所収)も言うように、モンドリアンやロドチェンコの絵画は、それ自体が絵画を終わらせるという強烈な意識に貫かれながら描かれている。もっとも、なにかがもう「終わった」とか「死んだ」とするものいい=ディスクールは、単線的な歴史観の、あるいは前衛の常套句でもある。その点では、繰り返される「絵画の死」は、ひとつのディスクール(フィリップ・ターフやロス・ブレックナーの「絵画作品」も含めて)としておもしろいものであっても、それが絵画にとって本当の危機的状況であることはまれだ。危機的なのはむしろ、「絵画の死」に対する反動として起こる、「絵画への回帰」のほうだ。単に復古的で無反省な絵画の礼讃でしかないそれは、絵画の「自死」をもたらすだろう。例えば1980年代の新表現主義はそういうものだったし、また日本でなにかにつけ繰り返される「絵画の復権」にも、同じ危険はたえずつきまとっている。

(林卓行)

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